研究課題/領域番号 |
24520641
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
村野井 仁 東北学院大学, 文学部, 教授 (20275598)
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キーワード | 文法習得 / 内容言語統合学習 / フォーカス・オン・フォーム |
研究概要 |
第二言語文法指導方法の一つであるフォーカス・オン・フォーム(focus on form/FonF)と内容言語統合学習(Content and Language Integrated Learning/CLIL)を融合させ、日本人英語学習者の第二言語発達、特に文法能力発達を促す方法を考案し、その効果を検証することが本研究のねらいである。 平成24年度から、CLILの内容を震災以降の被災者、特に若者がどのように今を感じているかを扱うこととした。平成25年度には実際に福島の若者のメッセージを集め、それを海外に伝えるために英語を使うというCLILを日本人大学生に体験させ、そのような内容言語統合型の言語活動が英語学習者の英語学習動機と文法発達にどのような影響を及ぼすかを検証するための実験を行った。1つ目の実験では、このような言語活動が学習者の内発的動機および理想的第二言語自我(ideal L2 self)にどのような影響を及ぼすのかに焦点を当て、データを収集した。第2の実験は、このような言語活動が日本人英語学習者の文法発達にどのような影響を与えるかを調べるために行われた。第3の実験ではCLIL的言語活動が学習動機と語彙・文法習得に与える影響を調査している。3つの実験で得られたデータを現在質的及び量的に調査している。 平成26年度は、これらのデータを分析し、文法習得および英語学習動機とCLILの関係について第二言語習得理論に基づいて考察し、その結果を公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時には内容言語統合学習の内容をアジア近隣諸国との国際関係に焦点を当てる予定であったが、平成24年度後半から福島原発事故の被災者の声を内容とすることにした。この修正によって、研究課題を大変進めやすくなった。データをどのような角度から分析していくかまだ確定できない段階にはあるが、あと1年で間違いなく意義ある成果を生み出すことができると考えている。CLILで学習したことについて海外の大学生と交流を行うことも平成25年中に実施することができ、その効果を調査するためのデータも得られた。計画通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度収集した実験データの確実な分析をまず行う。その上でさらなる実験が必要であると認められた場合には、再度CLIL的言語学習の機会を使い、新たなデータを集める予定。現段階では、文法習得を促す指導の在り方に様々な示唆を与える十分なデータが集まったと考えている。
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