研究課題/領域番号 |
24520642
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
飯塚 秀樹 自治医科大学, 看護学部, 講師 (90617466)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 外国語指導法 / 国際情報交換 / イギリス |
研究概要 |
本研究の核となる指導法 Consecutive Interpreting Approach の効果・汎用性を考察するために、当該年度は以下の学校・教育機関で本アプローチのデモ授業・講演及び先生方との意見交換を精力的に行った。 1)茨城県立鉾田農業高等学校、2)茨城県立明野高等学校、3)茨城県立古河第三高等学校、4)千葉県立千葉商業高等学校、5)茨城県立那珂湊高等学校、6)茨城県立古河第一高等学校、7)茨城県立日立商業高等学校、8)神奈川県立厚木商業高等学校、9)ELEC(英語教育協議会)夏期英語教育研修会(文部科学省後援) 上記の4)と7)では招待講演となり、千葉商業では「平成24年度ビジネス英語指導者研修会」の中で「新学習指導要領に向けた高校英語授業の工夫~Consecutive Interpreting Approach と全商英検対策」という題目で英語科・商業科の先生方を対象にデモ授業・講演を実施し、また日立商業では1学年全生徒237名を前にデモ授業を行った。 これらの活動の中で特筆すべきことは、上記2)の茨城県立明野高校英語科池田恭彦先生がこの授業実践を「4技能の統合的な育成を目指した外国語授業での活動を考える~Consecutive Interpreting Approach に基づく音読練習による学力の向上と生徒の心理的変化~」として論文にまとめ、茨城県教育弘済会の教育論文の中で優秀賞を受賞したこと、さらに7)茨城県立日立商業英語科野田知子先生が、本アプローチによる指導で全商英検の合格率を高めるなど顕著な効果を導き出したことから、それを基に研究計画書を作成し、(公益財団法人)英検助成研究論文に応募したこと等が挙げられる。 自身の論文も2011年度ELEC賞を受賞し、その結果9)のELEC夏期英語教育研修会で全国の先生方を前にデモ授業を実施する機会に恵まれた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では、自身の所属する自治医科大学看護学部を含め、4つの教育機関で本アプローチの汎用性を高める研究を行う予定であったが、ELEC賞を受賞したことから様々な教育現場から声がかかり、上記に示したように合計9つの学校・教育機関で本アプローチのデモ授業・講演を実践することができた。また、より効果的なアプローチを探求・発信するための継続的な研究基盤も高等学校の先生方と徐々に確立しつつある。 尚、ELEC賞は、科研費研究計画書を提出した直後、B部門:英語教育および英語教授法で受賞し、その論文「Consecutive Interpreting Approach に基づくプロソディー重視の口頭練習がL2筆記再生に与える効果」は「英語展望」No.120に掲載された。http://www.elec.or.jp/teacher/teacher05.html
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、本アプローチの汎用性を更に高めるために、Consecutive Interpreting Approach の輪を広げていきたい。そのために、これまでの活動を上記の研究協力者と共にまとめ、積極的に論文投稿・口頭発表を行い、本アプローチの露出を可能な限り増やしていく。また、ELEC夏期英語教育研修会で知り合った全国の先生方とも連携し、関東地方のみではなく、他の地域でも本アプローチのデモ授業を展開していく。 文部科学省の「学校基本調査」(2012) によると、我が国の大学進学率は54%とされている。私達研究者は、研究対象として基礎学力の高い教育現場を選んでしまう傾向にあるが、上記の数字が示しているように、高校卒業者の約半数は大学に進学しない。従って、基礎学力の高い生徒だけでなく、英語が苦手な生徒達にも機能するような指導法を、本アプローチを基に考えていきたい。 また、「授業は英語で行うこととする」という新指導要領に基づき、今年度は海外における英語直接教授法に関する情報を収集し、いかに授業内での生徒・学生達による外国語活動を増やしていくかについて考え、本アプローチ発展の糧としたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、上記で示したように本アプローチの露出を増やすことを主眼に置き、デモ授業・講演・学会発表・論文作成などを積極的に実施する。また海外の英語教育事情を捉えるために、海外の学校視察・学会参加を計画している。 従って、研究費の使用計画としては、1)国内旅費、2)海外旅費が主となり、その他として3)学会参加費、4)英語論文作成のための英文校正代、5)データ解析代、6)以上のものに係る消耗品購入となる。
|