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2012 年度 実施状況報告書

欧州言語共通参照枠に準拠した英語プレイスメントテストの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24520646
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中村 優治  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (40249074)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード読解力テスト / 欧州言語共通参照枠 / プレイスメントテスト
研究概要

本研究はCEFR(欧州言語共通参照枠)に準拠した英語プレイスメントテストの開発を行い、その相乗効果により教育、測定、学習の向上を目指すことを目的としている。テスト開発は循環作業であるという基本的立場から、テスティングの手順を構想→開発→実施→検証→再開発と考え、テストの開発サイクルを通してテストの質を徹底的に検証しテストの妥当性を追求しようとするものである。英語学力には読解力は不可欠であるが、この能力向上を第一目標として、テスト開発を行い、それをもとにした能力別クラス編成に基づくカリキュラム開発も同時にすすめ、学生のみならず教員も実りある英語の授業が展開できるようにすることが目的である。
今年度はこれまでの蓄積された延べ500項目の中から厳選された最適テスト項目をもとに4セット分のテストを作成し、実施・分析・修正・実施・分析の循環(テスティングサイクル)を行い、等化作業を行った。各テスト項目に対してIRTに基づく分析を行い、受験者に依存しないテスト項目難易度、テストに依存しない受験者の能力表示を可能にした。
等化されたテスト問題を使用することにより、高度なテスティングの知識をもたなくても素点による、英語能力の経年変化を検証できるようになり、素点の得点により平均、標準偏差をもって読解力を含めた英語学力の経年的変化分析が可能となった。
また、確定されたプレイスメントテスト4つのバージョンを使用して、能力別クラス編成のためのテストRPT1-4を実施し、構成要素の検討を行った。各回のテスト結果を下位構造の相関関係検証、及び因子分析による構成要素(構成概念)の検討を行い、ほぼ4つの領域に確定され、読解力指導の中で大いに活用されると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的の第一は読解能力向上を目標として、テスト開発を行い、それをもとにした能力別クラス編成に基づくカリキュラム開発も同時にすすめ、学生のみならず教員も実りある英語の授業が展開できるようにすることである。
蓄積された延べ500項目の中から厳選された最適テスト項目をもとに4セット分のテストを作成し、実施してIRTに基づく分析を行い、項目を等化し、受験者に依存しないテスト項目難易度、テストに依存しない受験者の能力表示を可能とした。等化されたテスト問題を使用することにより、高度なテスティングの知識をもたなくても素点による、英語能力の経年変化を検証できるようになり、素点の得点により平均、標準偏差をもって読解力を含めた英語学力の経年的変化分析が可能となった。
さらに、語彙の分析においてJACET8000のみならずCEFR準拠の視点からも方向性が見いだせたことは意義が大きいと思われる。

今後の研究の推進方策

2年目には語彙(JACET8000の分類表に従う)やCEFR区分に加えて、文法のレベル別の記述とCEFRの基準比較を行う。文法は8品詞を中心に分類し、テスト結果の診断テストとしての使用(プレイスメントテストから診断テストへ)を目標にCan―do list作成へ着手する。現在なCEFRの考え方を取り入れて基準の活用をする。CEFRは欧州における学習能力の評価の参照基準となるように作成されているが、この基本的なLevel A1 からLevelC2に準拠する対応レベルを取り入れ、KEPTによるレベルわがより具体的に記述できるようにしていきたい。

次年度の研究費の使用計画

テスト作成が循環であるという前提で、読解力テスト項目充実のための国内外の図書を引き続き購入予定。また、25年度特定の検討項目である語彙・文法などを中心とした教育測定・評価関係の国内外の図書購入し、この語彙・文法の分野に関しては専門的知識の提供も受ける予定でいる。(40万円)統計処理・分析用のハードウエアー、ソフトウエアーを購入し分析の予定である。(10万円)
成果発表を国内学会(JACET,KASELE,JALTなど)及び国際学会(TESOLなど)で予定していてそのための旅費40万円支出の予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Second Language Vocabulary Assessment2012

    • 著者名/発表者名
      中村優治、マレー、アダム、光永悠彦
    • 雑誌名

      Proceedings of the 17th Conference of Pan-Pacific Associaion of Applied Linguistics

      巻: vol.17 ページ: 34- 35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The JWL 8000 and the Power of Distraction2012

    • 著者名/発表者名
      中村優治、マレー、アダム
    • 雑誌名

      Language Culture and Communication 慶應義塾大学日吉紀要

      巻: No.43 ページ: 73-82

  • [学会発表] Second Language Vocabulary Assessment

    • 著者名/発表者名
      中村優治、マレー、アダム、光永悠彦
    • 学会等名
      Pan-Pacific Associaion of Applied Linguistics
    • 発表場所
      中国(北京)
  • [学会発表] L2 vocabulary assessment

    • 著者名/発表者名
      中村優治、マレー、アダム
    • 学会等名
      JALT(全国語学教育学会)
    • 発表場所
      静岡
  • [学会発表] Longitudinal L2 vocabulary assessment

    • 著者名/発表者名
      中村優治、マレー、アダム
    • 学会等名
      KASELE (九州英語教育学会)
    • 発表場所
      長崎外国語大学
  • [学会発表] Analysis of Placement Test Results

    • 著者名/発表者名
      中村優治
    • 学会等名
      Hiyoshi Forum 2013
    • 発表場所
      慶應義塾大学
  • [図書] 「 欧州言語共通参照枠に準拠した英語プレイスメントテストの開発」平成24 年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)基盤研究中間報告書2013

    • 著者名/発表者名
      中村優治
    • 総ページ数
      111頁
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2014-07-24  

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