日本人学習者の英文読解活動における視線動向の研究として、眼球運動の停留、逆戻りなどの特徴について分析を行った。下位レベルのTOEIC300点以下の学習者を対象として1年間のE-Learning教材による学習の開始時と終了時に視線動向を調査する実験を行い、その変化の特徴を分析する研究を行った。被験者のほぼすべてが停留時間の縮小、停留間隔の拡大が見られ、返り読みについても回数が減少し、中位レベルの学習者の特徴に近づく変化を示した。これらの結果から、E-Learning教材を利用した英文読解学習は有益であり、英文読解時の視線動向の訓練は、読解力を養成するための方策のひとつとなり得ることがわかった。
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