研究課題/領域番号 |
24520654
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
吉成 雄一郎 東海大学, 外国語教育センター, 教授 (20318166)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | eラーニング / 学習負荷 / 学習ストラテジー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は①学習者がeラーニング上で感じる学習負荷を左右する要因を明らかにし、②eラーニングにおける学習ストラテジーを解明し、③学習ストラテジーから学習者タイプを分類し、さらに④学習者タイプに合わせた学習負荷自動調整メカニズムの開発と検証を行うことである。 平成24年度の研究としては、学習負荷の影響を明らかにするためのモニター・実験用eラーニングシステムの構築を行った。 平成25年度は、モニター・実験用eラーニングシステムの構築を行った。具体的には、学習負荷を主観的尺度と客観的履歴の2つに分けて、データを収集、分析仕組みを準備した。一方、学習負荷の客観的、間接的履歴として、①直近の正答率、②解答時間、③連続学習時間を取得する。上記の2つの尺度・履歴を自動取得・記録できる、独自のeラーニングシステムを構築した。具体的には以下の作業を行う。①専用のWebサーバー上に、以下の機能を有したeラーニングシステムの作成、②学習対象プール搭載型eラーニングシステムに以下の機能を付加した。③学習画面の一角に、オンラインアンケート機能を設けて、(ア)学習上のスムーズさについての質問と(イ)集中度のついての質問を行う。回答はすべてシステム内のデータベースに格納する仕組みとした。④(ア)直近の正答率、(イ)解答時間、(ウ)連続学習時間等を取得し、システム内のデータベースに格納した。 平成26年度は、できあがったeラーニングシステムを使って、実際の実験とデータ収集を行った。分析作業にまでは残念ながら時間が足りなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究には、特別なeラーニングシステムの構築が不可欠であった。つまり、学習者の学習の状態を綿密に記録する仕組みや、学習中にアンケートを提示する仕組みなど、従来のeラーニングシステムでは実現できない実験機能を備えたシステムの構築に予想以上の時間を要してしまった。実際の学習実験はかなりの程度進み、データ自体は蓄積できたと考えている。今後は、追加の実験とシステムの改修や調整、およびデータの分析作業である。分析手法については、外部の専門家との協議を行ったので、残る作業は膨大なデータの分析と解析である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、本研究では、eラーニングの学習ストラテジーを、①直接ストラテジーと②間接ストラテジーに分けて分析する計画である。直接ストラテジーでは、学習者が正解を得るために時間をかけて(じっくり)考える、あるいは分からなければすぐに解答を見ようとする行動にでるか、などeラーニングにおいて、学習者が直接(主体的に)選択でき、学習の進捗にも直接左右するストラテジーであるし方、間接ストラテジーは、学習者が直接的にはeラーニングシステムに操作できないものの、eラーニングにおいて、どのような学習状態を好むかということである。たとえば、学習がスムーズに進むことを重視し比較的正解を得やすい状況を好むのか、正解率が低くとも先に進む学習を好むのかなどである。それらの分析を進めて、研究論文としてまとめる作業がこれからの残された課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学習負荷を記録するeラーニングシステムと実験用コンテンツで実験をしている中で、学習状況に応じて、学習対象プールの増減を学習者が主体的に変動できる仕組みを構築したが、学習者の鼓動をもう一つの変数で実験する必要がでてきた。来年度行うその実験の費用を残金として残したため。
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次年度使用額の使用計画 |
実験用eラーニングの改修作業(不正解の場合に学習者自身が正答を見る、あるいはもう一度解答するの選択を可能とし、それを記録する仕組み)に充てたい。
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備考 |
本研究のために構築したeラーニングシステムである。利用するには、IDとPWが必要であるが、申し出があれば発行する予定である。
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