研究課題/領域番号 |
24520659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
大森 洋子 明治学院大学, 教養部, 教授 (60233277)
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研究分担者 |
落合 佐枝 獨協大学, 国際言語文化学部, その他 (40534558)
西村 君代 上智大学, 外国語学部, 准教授 (10365679)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | カリキュラム / CEFR / 評価 / 高大連携 |
研究概要 |
1.平成21年度から平成23年度までの科学研究費科学研究補助金基盤研究(C)学習のめやす策定の試み―大学第2外国語を考慮して―課題番号21520600)で整備された「スペイン語学習のめやす」を他の言語教育スタンダード(日本以外の資料も含む)などの記述と比較し、不足している部分について記述の整備を行った。具体的にはコミュニケーションテーマとして設定した12のテーマごとの項目の記述を再検討するとともに、記述の統一性を目指した。年度末には、カリフォルニア大学教授當作靖彦氏、神戸市外国語大学教授福嶌教隆氏を交えた中間報告のワークショップを開催し、多くのスペイン語教員の参加も得て、今後の作業へ向けての問題点、改善点を探った。 2.12のテーマについて単元案、授業活動案も提案する予定であるが、その準備として、東京外国語大学客員教授Concha Moreno氏を講師に4技能の養成のための指導についての読書会を3回行い、アクティビティ作成に向けての共通基盤の確立を目指した。 3.これらのスタンダード作りは英語などで推進されており、高校指導要領等もCEFRを踏まえた形での提示が推奨されてきている。これは高大連携の一つの流れと捉えられる。また高校での中国語、韓国語教育は、国際文化フォーラムが提案している「学習のめやす」に基づいて大きく前進している。スペイン語を教える高校が増えるなか、スペイン語既習者が大学での学習へ効率的に移行するために大学側に何ができるかを調査する必要性を検討し、平成25年度調査実施に向けての準備を行った。 4.これらの研究はスペイン語、日本語によるホームページを設け、多くの外国語(スペイン語)教育関係者からの意見を取り上げることができるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他言語のスタンダードの専門家などに広く意見を求めたことによって、現在の「学習のめやす」における修正や補強が必要な部分が明らかになってきた。具体的には理論的基盤の明示化、評価の基準を織り込んだ枠組みの修正、「めやす」を授業につなげるための方法論などである。理論的基盤についてはCEFRや中国語、韓国語のめやすを参考に確認作業が進行中であり、評価については基準とすべき文献を決定し、今年度の活動の柱の一つとなるように準備中である。「めやす」に基づく単元案、授業活動案については年に数回のペースで勉強会を継続的に実施している。また「めやす」の記述する初級レベルが全体の中でどのように位置づけられるのかの検討を全員で行い、高大連携に向けて既習者調査の質問票を作成することができた。達成度としては25パーセント程度と評価し、やや遅れ気味ではあるが、着実に目標に向かっていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、次の3つの柱を明確にして作業をすすめていく。 1.「学習のめやす」最終版作成に向けて、他言語のスタンダードなどを参考にしながら、提示方法などを検討、アクティビティ案、単元案などの提案を行っていく。今後は作業を分担しながら、より活発に議論を重ねていく予定である。さらに、スペイン語教育全体の問題と位置づけ、広く意見交換の場を持つ予定である。 2.評価に関しては、スペインより専門家を招へいし、言語教育におけるテストの役割、授業活動の評価、主観的な評価をどのように行うのかを検討する。また、「学習のめやす」に用いているディスクリプターとそれを効果的に評価するための方法を模索する。 3. 高校でのスペイン語履修者やスペイン語圏滞在経験者など、大学入学以前に学習経験のあるスペイン語既習者の実態調査を実施し、その成果を年度末までにまとめて、発表していく方向で準備を進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.授業活動(講演会、ワークショップ)の記録のためのビデオ機器の購入 2.授業活動に関する読書会講師(継続して本年度も開催予定)及び評価に関するワークショップ、講演会開催のための費用(研究者招聘費用等を含む) 3.既習学習者調査に関わる費用(協力者、被験者謝礼などを含む) を予定している。
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