研究課題/領域番号 |
24520660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
秋田 麻美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (30334585)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リスニング |
研究概要 |
本研究では「韻律指導」を明示的に行うBottom-up型指導と,Listening strategyを明示的に指導するTop-down型指導を組み合わせたInteractive型(併用型=IG群)の英語聴解教育の効果を測定し、その有効性を検証した。同一の自主開発リスニング教材を使用して6か月間(90分×20回)の実験授業を大学中級授業3クラスで行い、<ディクテーション中心のBottom-up型指導=BG群>と<Listening strategy指導を行うTop-down型指導=TG群>との比較によりその教育効果を検証した。聴解能力の測定はWeTECで3回実施(授業直前・直後・2か月後)した。 BG群においては、合計点においてはpretestよりもposttestの平均値が上昇した。しかし、Posttestでスコアが上昇したにもかかわらず delayed ではpretestのスコアに戻ってしまい、効果は一時的であった。TG群においては残念ながらスコアが伸び悩みスコアの平均値に変化が見られなかった。 IG群は合計点のスコアにおいて、posttest、delayed と順調にスコアを伸ばす結果となった。Posttestに比べdelayedのスコアの平均値が有意に上昇したことから、実験授業2か月後においても実験授業の効果が持続したのみならず、さらにリスニング力の向上に寄与したことがわかる。今回の実験授業およびデータ収集では、併用授業の有効性が示された結果となった。 2013年度は、上記のデータ収集および分析結果を、国際学会で発表予定(New Sounds 2013, Montreal, May 17-19)である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予想していたよりも明白な教育効果が実験結果により示されたため、同様の実験を研究期間中に複数回繰り返す予定であったが、その必要がなくなり、その代りにより焦点をしぼって新たな観点を入れた実験授業およびデータ収集を2013年度に実施することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
併用指導の効果を検証するにあたり、インプットとアウトプットを増やす手段としてシャドーイングを加えた場合と、リピーティングを加えた場合での効果の違いを検証することとした。 これは、併用指導が他の指導法(bottom-up法・top-down法)よりも明白な効果を示したことから、2012年度の検証実験を繰り返す必要がなくなったことに伴い、併用指導をどのように実施することが最も有効であるか、ということに焦点を移すことが可能になったからである。 2013年度は、より併用指導の効果が上がりやすい授業である「英語音声学」において、併用指導を2クラスで実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)2012年度のデータ分析結果を考察した論文を執筆し投稿する予定である。その校閲代を支出する予定である。 (2)5月にカナダで行われる「New Sounds」において口頭発表を行う予定である。その交通費等を支出する予定である。 (3)2012年度に文献研究を行った情報処理システムに関する分析を英語論文にまとめ、国際ジャーナルに投稿予定である。その投稿サポート代を支出予定である。 (4)2013年度に「英語音声学」授業で実施する実験授業とデータ収集に伴い、リスニング力の測定代(WeTEC実施代)とRA代を支出する予定である。
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