本研究は発音指導(韻律指導)と聴解指導を併用する「統合的指導」の教育効果の検証を目的とし、大学中級授業3クラスにおいて、同一の自主開発リスニング教材を使用して実験授業を2年間にわたり実施した[6か月間(90分×20回)]。聴解能力の測定はWeb客観試験(WeTEC)により3回実施(授業直前・直後・2か月後)実施した。3種類の指導は、①音素指導だけのクラス②聴解指導だけのクラス(リスニングストラテジーを指導)③韻律と聴解指導の併用(統合)指導のクラスであった。その結果統合指導クラスにおいて(両年度共に)他の2クラスよりもスコアの平均値に有意な上昇がみられ、統合指導の有効性が示された結果となった。
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