研究課題/領域番号 |
24520667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
久留 友紀子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00465543)
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研究分担者 |
大年 順子 岡山大学, その他部局等, 准教授 (10411266)
金志 佳代子 兵庫県立大学, 経営学部, 准教授 (20438253)
山西 博之 関西大学, 外国語学部, 准教授 (30452684)
正木 美知子 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (80229351)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 第二言語ライティング / パラグラフ・ライティング / ルーブリック / 作文評価 |
研究概要 |
本研究では,高等教育での英語教育におけるパラグラフ・ライティング指導を促進するツールと方策を開発することを目的とし,当研究グループが開発・検証してきた英語ライティング・ルーブリック(評価基準)「ルーブリック2009」に対してこれを補完する,評価基準の具体的な解釈一覧と作文サンプル一覧を作成,これにより汎用性の高い評価ツールを開発する。同時に,本来評価ツールであるルーブリックをライティング指導のために活用する方策を探る。今年度は解釈一覧と作文サンプル一覧作成に向けて次のことを行った。 まず,解釈一覧を作成するために有用かつ必要な,「ルーブリック2009」に関する量的・質的データについて検討しその結果,ある授業から集められたパラグラフ・ライティングの作文18編を使って「ルーブリック2009」の下位項目について分析を行うこととした。「ルーブリック2009」の5項目はそれぞれ2~5つの下位項目によって具体的に規定されているが,第3者の大学教員にこの下位項目ごとに6段階の評価を求め,その量的データを外部評価との比較を含めて分析した。ここではまた評価者から「ルーブリック2009」を使用したパラグラフ・ライティングの評価について詳細に記述した質的データを得た。 同時に,作文サンプル一覧を作成するために必要とされる作文データの収集については,これまでの研究で分析した作文データに加えて新たに作文データの収集を開始した。作文サンプル作成にはさまざまな種類の作文が必要と考え,作文を書くときの条件や作文のトピックは統一せず,それぞれのカリキュラム・授業の中で書かれた作文をそのまま集めることとした。一方,英語力の指針としてクローズテストの一種であるCテストは統一して実施することとした。今年度はまず当研究グループメンバーの担当する授業から,異なる学部の学生の作文を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は,高等教育での英語教育におけるパラグラフ・ライティング指導を促進するツールと方策を開発することである。具体的には(1)当研究グループが開発・検証してきた英語ライティング・ルーブリック(評価基準)「ルーブリック2009」をより汎用性の高い評価ツールとするためにこれを補完する評価基準の具体的な解釈一覧と作文サンプル一覧を作成すること,そして(2)本来評価ツールであるルーブリックをライティング指導のために活用する方策を探ることを計画している。 (1)の解釈一覧の作成についてであるが,「ルーブリック2009」の具体的な解釈一覧の草稿は「ルーブリック2009」に関する十分な量的・質的データの分析に基づく必要がある。今年度は「ルーブリック2009」の5項目を具体的に規定している,それぞれの下位項目について詳細な量的データを得ることができ,外部評価との比較を含めて分析を行った。また,この量的データと同時に得られた自由記述データでは,「ルーブリック2009」を使用して行う評価についてばかりでなく作文評価あるいは教室で行う評価全般についても大変有用な示唆が多く得られた。今年度得られた量的・質的データは解釈一覧草稿の基盤となるものである。作文サンプル一覧の作成に向けては,まずなるべく多様な作文のデータサンプルを収集する必要があるが,これについても順調に収集が進んでいる。 当初の計画では(2)についても研究を進める予定であったが,これについては(1)で作成する解釈一覧と作文サンプル一覧をルーブリックと共に利用する可能性も考えられるため,(1)を優先して研究を進めることとなった。時間と労力が必要と思われる解釈一覧と作文データの収集について実施可能で効率的な方法で研究が進んでいることも考慮し,全般的に概ね順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,(1)「ルーブリック2009」を補完する評価基準の具体的な解釈一覧と作文サンプル一覧の草案を完成し試験運用すること,これと並行して(2)「ルーブリック2009」を指導ツールとして活用する方策の開発に向けて指導サンプル案と補助教材の原案を作成し試験運用することを計画している。 (1)の解釈一覧についてはまず,草案作成に必要な量的・質的データの分析を完了する。量的データとして「ルーブリック2009」の下位項目ごとの評価を行った際に得た数値データのさらなる分析を行う。質的データとしては下位項目評価の際の自由記述データの分析に加えて,これまでに行った「ルーブリック2009」に関する研究で収集した自由記述データをKJ法によって分析する。これらの分析を基に解釈一覧を草案する。作文サンプルについては収集した作文をデジタル化した上で整理し,不足があればさらに収集を進める。解釈一覧の草案に合わせて解釈の適切な例となる作文サンプルを選定する。収集した実際の作文を使って第3者に評価を依頼し,「ルーブリック2009」と草案された解釈一覧と作文サンプルを合わせた場合とそうでない場合の比較をする。問題・必要があれば草案の改訂とその検証をさらに行う。 (2)の指導サンプル案については,解釈一覧・作文サンプル草案も考慮しながら,既に行ったパイロット調査の際の指導手順を基にして「ルーブリック2009」を書き直しツールとして活用できるような指導サンプル案と補助教材をいくつか考案する。開発者あるいは第3者の実際の授業において「ルーブリック2009」と補助教材を使用したサンプル案の指導を行う。指導の様子を録画などで記録すると同時に,学生・教員の双方に対して質問紙調査を行い,使いやすさや分かりやすさ,問題点について調査する。問題・必要があれば草案の改訂とその検証をさらに行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は,研究分担者の一人が他学会発表と重なり学会発表に参加できなかったことに加え,発表言語を日本語としたために英文校閲料が不要となったことから生じている。次年度は逆に英文校閲料を予定していなかったが,2年後に参加を希望している海外学会発表の応募のための英文校閲料が必要となったため,この次年度使用額分は発表応募要旨の英文校閲料として使用する予定である。 英文校閲料の他は,当初の計画に沿って文献研究費用,国内での学会発表参加費と旅費,研究会旅費,印刷事務用品費用に加え,実際の授業において「ルーブリック2009」と補助教材を使用したサンプル案の指導の様子を録画などで記録するための費用とする予定である。
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