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2013 年度 実施状況報告書

データベースソフトを活用した初習外国語授業における教材提示の円滑化と授業の活性化

研究課題

研究課題/領域番号 24520675
研究機関大阪工業大学

研究代表者

神谷 健一  大阪工業大学, 知的財産学部, 講師 (50388352)

研究分担者 柿原 武史  南山大学, 外国語学部, 准教授 (10454927)
三浦 由香利  神戸市外国語大学, 外国学研究所, 非常勤講師 (10621550)
堂浦 律子  京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (40623864)
川口 陽子  神戸大学, 大学教育推進機構, 非常勤講師 (50623170)
井上 昭彦  京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (60623866)
黒田 恵梨子  京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (70623859)
田原 憲和  立命館大学, 法学部, 准教授 (80464593)
金 善美  大手前大学, 現代社会学部, 非常勤講師 (90621847)
キーワード教育工学 / ドイツ語教育 / 韓国語教育 / フランス語教育 / イタリア語教育 / ロシア語教育 / 英語教育 / スペイン語教育
研究概要

平成25年度は各言語チームでの活動のうち、特に韓国語・ドイツ語・フランス語・イタリア語において、先行するロシア語に追いつく研究および実践活動が行われた。加えて全言語で同一のフレームワークにて開発し言語ごとにカスタマイズを行っている「動詞変化形提示ツール」について、チーム全体の共同発表としてWorldCALL 2013にてポスター発表を行った。
開発者である研究代表者の実績としては「四択問題作成ツール」について、MoodleMootにおいて開発関連の表彰を受けた。また、同様に研究代表者が講演に招待されたことを機に、全てのツール類の改良版と操作マニュアルを作成し、Web上にて公開した。具体的な改良点としては簡易e-learning機能の正式搭載と、これまでロシア語用ツールだけを独立させていたものを全言語版と統一することで、今後のメンテナンス等を実施しやすくなった点などが挙げられる。
「フラッシュ型例文・対訳提示ツール」についてはバックアップファイル作成において不具合が見つかったため、急遽修正を行ったが、これはフランス語チームによる実践活動の中で見つけることができた。また、フランス語チームからは当該ツールについて、開発者である研究代表者が想定していなかった新たな用途の開拓に貢献があり、今後これらを活用した授業事例の記述を行うことで、一層効率的な授業設計に繋がると考えている。
また、研究体制の一層の拡大に繋がる動きが平成25年度・平成26年度に発生した。ドイツ語チームは本プロジェクトに由来した別の科研課題に採択され、同時進行で進めている。また、研究代表者は新たに「外国語教育工具開発研究会」を立ち上げ、これまでに4回開催している。さらに平成26年度から別の研究会と共同で新たな科研課題を応募し採択された。こうした動きは今後この領域での研究を進めていく大きな礎となることが予想されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題は研究代表者・研究分担者・研究協力者(計12名)が7つのチームに分かれて活動しており、各チームにおいていずれも精力的かつ活発な研究活動が行われた。もとよりロシア語チームが先行した動きを示していたが、これに続く形でドイツ語チーム、フランス語チームも最終段階に近いところまで到達し、ワークショップ形式で報告することができた。また、各言語チームから寄せられた改良要望の多くに応えることができ、それぞれの改良版が完成したタイミングや口頭発表・ワークショップの準備においてそれぞれの言語ごとのWebページを作成していった結果、平成25年度末までに全ての言語版のツール類を公開するWebページを完成・一般公開することができた。
平成24年度の時点で新たな方向性として可能性が見えてきた、同一開発環境でのモバイルデバイス対応ソリューションについては、本プロジェクトのドイツ語チームに別メンバーを加えた別プロジェクトの方で引き継ぐことになり、現在新たなツール開発の方向性を模索しているところである。加えて、本プロジェクトの成果の一つである「フラッシュ型 例文・対訳提示ツール」において、さほど手を加えずにiPadでの利用が可能になることが新たに判明したため、今後はこうした方向性も視野に入れ、これまで念頭に置いていた教員支援型ツールとしての利用に加え、学習者支援型ツールとしての可能性も追求していきたい。
一方、現時点で若干遅れ気味なのが、各言語で利用する語形変化や語彙・構文・例文などフリーで公開できる範囲での基盤的な教材データベースの作成である。これについては著作権上の問題があるため、既存の教材などをそのままデータベース化することはできないが、ロシア語チームでは共通で利用できるデータベースの整備について検討が始まっているようである。このような動きを他の言語チームにも拡大させていきたいと考えている。

今後の研究の推進方策

本研究課題の最終年度にあたる平成26年度には7つのチームの活動の総括を行うことを目標としており、10月末を目処に、全チームからの報告を集約することにしている。研究代表者を除く各構成員の役割分担は統一して「多言語対応ツール類の○○語関連の研究、実践事例集の作成」としており、最終的に全員の連名で事例集のようなものを簡易製本および電子書籍で作成する計画である。この簡易製本による冊子は平成26年末までに完成させ、平成27年以降に開催される研究会などで来聴者にも配布できるような流れを計画しており、出版にかかる費用も科研費によって支出する予定である。
研究代表者は平成26年夏に単独で「4択問題作成ツール」のデータベース的側面をまとめた内容を、オーストラリアで開催されるAILA 2014にてポスター発表を行うことが決定している。この他、全員での連名による学会発表なども応募中である。
もとより本研究プロジェクトは3年間で終了するような性質のものではなく、新たな技術動向などを見据えた上でさらに発展させていくべきものであると考えている。既に動き出しているように言語チームごとのプロジェクトの発足も研究課題の発展のためには必要であると考えているが、本研究の発足のきっかけでもあり、先導的な役割を果たしたロシア語チームの実践事例が他の言語にも良い影響を与えたことからも分かるように、言語の壁を越えた実践事例の蓄積も外国語教育工具開発の研究においては有効であると考えている。こうした動きを見据えた別プロジェクトも平成26年度から動き出しているが、これまで7言語で進めてきた研究活動に、何らかの接点で中国語も加えることができることを希望している。そしていずれはこうした人脈を新たに開いていくことも進めていく必要があるだろう。今後は必要に応じて中国語に対応した新たなツール開発なども行っていく必要があるかもしれない。

次年度の研究費の使用計画

本研究課題は7つのチームに分かれて活動しているが、チームによって研究発表の時期や必要な備品・消耗品が異なるため。
各チームごとに割り当てた金額を使用する。研究分担者の個人配分額(直接経費)は平成26年度は一律75,000円としているが、継続研究のための備品購入のために繰り越している者や、海外での発表経費のために繰り越している者がいる。研究分担者の全体での平成25年度からの繰越金は218,684円である。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 動詞活用の定着を目的とした効果的な方法の試みと実践~動詞変化形提示ツールを使用した試みを中心に― フランス語とイタリア語の場合~2014

    • 著者名/発表者名
      黒田恵梨子、川口陽子、堂浦律子、井上昭彦、神谷健一
    • 雑誌名

      RENCONTRES

      巻: 27 ページ: 103-107

  • [雑誌論文] データベースソフトによるスライド教材の提示2013

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 雑誌名

      英語教育

      巻: 第62巻第5号 ページ: 89-89

  • [学会発表] Development and Practice of Conjugation Presentation Tools for European Languages2013

    • 著者名/発表者名
      Kenichi KAMIYA, Yukari Miura, Norikazu Tahara, Takeshi Kakihara, Yoko Kawaguchi, Eriko Kuroda, Ritsuko Doura, Ahikiko Inoue, Sunmi Kim, Minako Takagi, Naomi Ikeya
    • 学会等名
      WorldCALL 2013
    • 発表場所
      Scottish Exhibition and Conference Centre in Glasgow (Scotland)
    • 年月日
      20130710-20130713
  • [学会発表] イタリア語とフランス語の授業における「フラッシュ型例文・対訳提示ツール」の実践例と可能性

    • 著者名/発表者名
      堂浦律子、井上昭彦、黒田恵梨子
    • 学会等名
      外国語教育メディア学会関西支部秋季研究大会
    • 発表場所
      関西大学(大阪府吹田市)
  • [学会発表] データベースソフトウェアを活用したドイツ語教材の可能性と実践例

    • 著者名/発表者名
      齊藤公輔、田原憲和、池谷尚美、神谷健一
    • 学会等名
      日本独文学会秋季研究発表会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
  • [学会発表] EL USO PRACTICO DE BANCO DE DATOS EN LA CLASE DE ELE

    • 著者名/発表者名
      柿原武史
    • 学会等名
      第8回アジア・イスパニスタ協会国際会議
    • 発表場所
      Shanghai International Studies University (China)
  • [学会発表] フラッシュ型 例文・対訳作成ツール 短文穴埋め問題作成ツール 動詞変化形提示ツールの操作とデータ作成

    • 著者名/発表者名
      神谷健一、三浦由香利
    • 学会等名
      日本ロシア語教育研究会 西日本地区 研究例会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府豊中市)
  • [学会発表] データベースソフトを利用した教材作成支援ツールのロシア語授業における実践

    • 著者名/発表者名
      三浦由香利
    • 学会等名
      日本ロシア語教育研究会 西日本地区 研究例会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府豊中市)
  • [学会発表] データベースソフトによる教材作成、円滑な教材提示、授業の活性化

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 学会等名
      日本ロシア語教育研究会 西日本地区 研究例会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府豊中市)
    • 招待講演
  • [学会発表] データベースソフトウェアを利用した教材管理・教材提示

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 学会等名
      広島大学外国語教育研究集会
    • 発表場所
      広島大学(広島県東広島市)
    • 招待講演
  • [学会発表] 外国語教育工具の評価方法をめぐって

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 学会等名
      外国語教育メディア学会関西支部メソドロジー研究部会
    • 発表場所
      関西大学(大阪府吹田市)
  • [学会発表] FileMaker Go 12を用いた編集・配布が容易なiOS用 文字・単語・例文学習用無料アプリ

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 学会等名
      外国語教育メディア学会
    • 発表場所
      文京学院大学(東京都文京区)
  • [学会発表] Phrase Reading Worksheetを利用した英語授業の設計

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 学会等名
      第20回大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学(京都府京都市)
  • [学会発表] 「四択問題作成ツール」の多目的利用

    • 著者名/発表者名
      神谷健一
    • 学会等名
      moodle moot japan 2014
    • 発表場所
      沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)
  • [学会発表] フラッシュ型 例文・対訳提示ツールを用いたフランス語の授業の実践と試み

    • 著者名/発表者名
      川口陽子、黒田恵梨子、神谷健一
    • 学会等名
      関西フランス語教育研究会
    • 発表場所
      アンスティチュ・フランセ関西-大阪(大阪府大阪市)
  • [備考] 大阪工業大学 神谷健一

    • URL

      http://www.oit.ac.jp/ip/~kamiya/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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