研究課題/領域番号 |
24520682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
能登原 祥之 同志社大学, 文学部, 准教授 (70300613)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イベントスキーマ / 文型 / 典型性 / BNC / Spoken Corpus |
研究概要 |
2012年度は、イベントスキーマを基盤とした教育的意味タグセットを精選する基礎研究の準備を行った。特に、認知文法論で典型的とされるイベントスキーマと文型の「典型性」を改めて検証する研究環境整備を以下のように行った。(1) 典型性を検証する上で、頻度が低く使われ方も固定的な中間構文を除き、Radden & Dirven (2007)の11種類のイベントスキーマと文型に研究の視点を戻した。(2) 典型性を頻度の観点から検証するため、英語母語話者のスキーマが動的に構築された背景となる話し言葉にまず焦点をあてた。(3) 特に話し言葉コーパスでもバランス良く構築されたBritish National Corpus の Spoken Part に注目し先行研究を整理した。(4) 典型性をスキーマの拡張性からも検証するため FrameNet Project (International Computer Science Institute, 2000-2012) の最新の研究成果を確認した。(5) 典型性を検証する際、同じ動詞で異なるスキーマ、同じスキーマで異なる動詞まで調査範囲を広げるため、その調査方法と統計手法の洗い出しを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査に入る前に、文献研究を行い調査方法を洗い出す中で当初の調査方法を見直す必要が出て来た。それが原因で、予定の調査にとりかかるのがやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の2013年度では、以下4つの課題に取り組む予定となっている。(1) 頻度情報を軸に認知文法論的に典型的とされたイベントスキーマと文型を話し言葉コーパスの場合で検証していくこと。(2) 書き言葉コーパスの場合も同じ調査を行い、レジスターやジャンル別の違いを記述すること。(3) その上で教育的に最低限指導すべきイベントスキーマと文型を精選し意味タグセットの形にすること。(4) 同時に3年目に教育的意味タグの教育効果を検証するため、教科書コーパスの構築および整備を行うこと。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、(1) 研究分野の最近の動向を確認する文献購入および学会参加のため、(2) 上記4つの研究をそれぞれ進め学会発表や論文投稿を随時進めていくため、に利用する予定となっている。
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