研究課題/領域番号 |
24520685
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研究機関 | 長崎純心大学 |
研究代表者 |
鈴木 千鶴子 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (10123837)
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研究分担者 |
石田 憲一 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (50284138)
吉原 将太 長崎純心大学, 人文学部, 准教授 (30321318)
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際協働作業力 / プロジェクト方式学習 / 教員養成課程教育 / グローバル人材育成 / SNS利用 / 対話データ分析 / 知識構築過程分析 |
研究概要 |
昨年度の実績に基づき、今年度の研究を、以下の内容で概ね計画通りに実施した。 (1)前期における、昨年度実施の「プロジェクト1」の分析評価。主に以下の2種類を実施。①参加学生自身のプロジェクトに対する各種項目評価アンケートの結果と、プロジェクト参加による英語力伸長の変化との関係の解釈。その結果、プロジェクトへの参加意義は評価する一方、実際の活動では理想通りの意思疎通は実現できず、殊に作業負担の不公平感が不満の大きな要因となっている。しかしながら、グループ内で日本人が一人であることから否応なく作業負担が増加した学生は、英語力の伸長が見られた。②参加学生の「異文化に対する理解と自己認識」に対するアンケート。その結果、異文化間コミュニケーションについては、自己評価が良好な学生と不得意とする者がはっきりと分かれている、のに対して、グローバル意識については、どちらとも言えないと回答する中間層が多いことが観察された。このことからグローバルな問題を明確に意識する機会が未だ十分ではないと推測された。 (2)後期における「プロジェクト2」の実施。概要は以下の通りであった。①6ヶ国(ドイツ、スペイン、米国、日本、ブルガリア、ポーランド)8大学から学生91人、教員15人、計106人参加。②「児童の視線(考え方・感じ方)を知る」の大テーマに8のトピック別国籍混成グループを編成。③日本人学生参加者22人は、8グループに分かれ実質3ヶ月間各トピックに取り組み、地域の小学校や学童保育、塾での調査を行い結果を英語で報告した。 (3)(2)の結果に基づく以下の項目の調査研究。①英語コミュニケーション力判定②フォーラム上の発信③IT利用状況④性格パターン⑤グループ編成⑥上記項目①~⑤の横断的分析。その結果、プロジェクト1で得られた仮説「独り作業」の効果が検証され、且つ新たにリーダーシップ力要因の重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由) (1)二年度目の「プロジェクト2」は、①量的に参加の国・大学・学生ともに、おおむね予定通りの数が集まり、滞りなく終了した。②質的にも、より活発なインターラクションが展開され、内容は、より充実していた。③英語力判定テスト、アンケート等の回収率も予測を大きく下回ることはなかった。 (2)初年度実施の「プロジェクト1」で得られた結果より導かれた仮説の再現性をある程度確認できた、とともに新たに、国際協働作業力に係る参加者の性格パターンならびにグループ編成について知見が得られた。 (3)「プロジェクト1」の「全体評価アンケート」と「異文化理解度アンケート」の分析を行った結果、それぞれから、6ヶ国8大学の参加学生全般について導かれる傾向を特定することができた。 (4)対話データを基にした知識共同構築過程の分析、およびプロジェクト2の全体評価アンケートと異文化理解度アンケートの分析を、予定通り最終年度に行う見通しが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
以下の項目を遂行する。 (1)対話データを基にした知識共同構築過程の分析、およびプロジェクト2の全体評価アンケートと異文化理解度アンケートの分析。 (2)上記(1)の前半については、結果を8月にEUROCALL2014で発表する。 (3)上記(1)の後半については、結果を10月に参加大学の一つであるソフィア大学(ブルガリア)で開催される国際学会で発表する。 (4)これまでの結果の検証を補強する意図と、プロジェクト自体の教育的意義を確認できたことから2014年度後期も、研究計画を超えてプロジェクトを継続的に実施する。
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