本研究は、外国語習得効率の個人差を生み出す様々な要因から、記憶力の要素を構成する音韻的短期記憶力の外国語の能力への影響の大きさを調査することを主たる目的として実施された。具体的には、先行研究ではまだ十分に明らかにされていない音韻的短期記憶力の外国語のリスニング、発音、に与える影響の大きさを調査した。180名の被験者の協力を得て、実験をしたところ、音韻的短期記憶力は日本人の英語のリスニング及び発音のスキルに影響を与えていることが明らかにされた。 また本研究では音韻的短期記憶力の中でこれまで研究されたことのない非言語的情報(音楽的情報)の記憶力の外国語の能力への大きさを明らかにする点が大きな特色であったが、言語的情報の記憶力だけでなく非言語的情報の記憶力も英語の発音及びリスニングスキルに影響があることが示唆された。本研究計画最終年度には本研究の成果を国際応用言語学学会で発表した。論文にもまとめた学会誌に投稿した。
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