研究概要 |
経済大国となりグローバル化する世界をリードする国のひとつとなった日本も、情報や見解を世界に発信することが求められる。そこで、英語コミュニケーション能力を伸ばすためには目標言語の使用は必須であることから、日本の英語教育現場でもインタラクションを促すタスクや言語活動を活用するコミュニカティブ言語教授法(Communicative Language Teaching)が取り入れられている。ところが、自分の英語力に自信が無いと答える日本人が多く、特に「日本人英語」に対して否定的であることは先行研究でも報告されてきた(e.g., Chiba, Matsuura, & Yamamoto, 1995; Fraser, 2006; Matsuda, 2003; McKenzie, 2008a, 2008b)。しかし、日本人英語は日本人以外の英語使用者らに本当に理解されないのか、容認されないのかはほとんど研究されておらずその信憑性は不明である。そこで、本研究では、英語母語及び日本人以外の非母語話者の「日本人英語」に対する態度と容認度を調査することで、日本人英語学習者が信じているように「英語母語話者の英語とは違う日本人英語」は他の英語使用者(英語母語話者と非英語母語話者)に容認されないのかを日本人や日本文化に対する態度及び使用場面に関連付けて調査する。 初年度である平成24年度は、関連する論文や書籍の収集を行った。また、Tokumoto & Shibata (2011)も含め関連する先行研究で使用されたアンケートを再検討したり参考にしてアンケート項目を作成した。それらのアンケート項目には、徳元氏よりコメントをもらっている。さらに、人脈を通してアンケート協力依頼が可能な国を挙げ、25年度の実施に向けた準備を行った。
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