研究課題/領域番号 |
24520702
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田中 彰一 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80197425)
|
キーワード | 小中接続 / 外国語活動 / 中学校英語 / 項目学習 / システム学習 / 文字指導 |
研究概要 |
3年計画の2年目として,佐賀大学文化教育学部の附属小学校外国語活動担当教員と附属中学校英語科担当教員との合同研究会の協力を得ながら,理論的研究を進めた。ほぼ月1回の研究会において情報交換を行い、小中連携の9年間カリキュラムと学習デザインの検討をおこなった。附属学校としてのカリキュラム研究は、パフォーマンス課題とその評価の方法を、授業設計として研究するものであり、小中連携の段階的な英語能力の発達を図る上で示唆的な学習デザインとなっている。 理論研究として、1年目に「小学校外国語活動と中学校英語科の接続(1) ―現状と課題―」として公表した内容に基づき、2年目は、小学校外国語活動の実践で、動機づけの開発を含む情意的な「素地」を育成するという必要があること、また,中学校英語科の授業においては,教科としての学習における外国語学習の意識づけが必要であり、4技能をバランスよく伸ばしていくための「基礎」づくりも意識した言語活動へと発展するべきではないかということが見えてきた。 平成25年11月30日(土)第42回九州英語教育学会(佐賀研究大会)において、コーディネーターとして発表し、シンポジウム「佐賀の英語教育~小中高の接続を考える」のパネリストの実践発表に基づいて小中連携の提言をおこなった。具体的には、佐賀大学文化教育学部附属小・中学校の連携を、「言語活動のパフォーマンス課題を設定し、ルーブリックによる評価の授業研究」として紹介してもらい、小学校での外国語活動の見取りを「チャレンジリスト」として取り組む実践、中学校での「逆向き設計」論に基づくパフォーマンス課題とルーブリック評価の実践から、次の段階における小学校外国語活動と中学校英語科の接続の研究を、参加者と共に深めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1、2年目に、研究協力組織の立ち上げ、現状と課題の分析をすることができたが,研究代表者が管理職であったため(今年度は離れている)、論文作成と学校行事等により授業の参観と分析、例会の回数と時間を十分に持つことができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は研究の3年目(最終年度)として、研究1、2年目の研究成果として理論的な分析から出てきた現状と課題の分析をさらに掘り下げて考察し,カリキュラムデザインとしての実践授業の見直しを提案していきたいと考えている。8月の全国英語教育学会にて、研究の一部を発表し、年度の後半で研究全体を報告書としてまとめる予定である。 そうした研究の総括をするとともに、「グローバル化に対応した英語教育の改革計画」にもとづく英語教育の改善がどのようになされるべきかという考察をおこなう予定である。この改革は、学習者である児童・生徒の英語学習のプロセスを尊重するものでなければならないと考えられる。無理のないカリキュラムデザインを構築するにはどうすればよいのかの視点でも研究を進めたいと考えている。
|