研究課題
これまで行ってきた実践を振り返り、最も実用的かつ効果的と考えられる手法、手段を用いて、小学校3、4年生を中心とする、9人の英語を学ぶ小学生にICTを活用した英語指導を2日間にかけて行い、英語学習に対する動機づけの変化について調査した。Deci & Ryanの自己決定理論を援用し、3つの心理的欲求を満たす教育介入となるように実践を進めた。インタラクティブな作用が期待できるアニメーション動画を利用することで、自主的な学びを促進し、iPadやiPodなどのタブレット機器を操作させ、指導者が与えるタスクをやり遂げることで、有能感を持たせた。また、活動は3人ずつのグループ単位とし、互いの学びを共有したり、協力して問題解決に取り組ませたりすることで、関係性の欲求が満たされるよう配慮した。実践の観察結果とアンケート調査(「1大変やる気がでる」から「5全くやる気がでない」の5件法アンケートと自由記述アンケート)を併せて分析した結果、有能感については9人中8人、自律性の欲求については、2人、関係性の欲求については1人の児童に動機の高まりについて有意差がみられた。5件法、自由記述アンケートのどちらに関しても、14人が実践を好意的に受け止めたことが明らかになった。全体的に動機づけは高まったが、有意差で見る限り顕著な向上がみられたのは、有能性の欲求のみであった。期間も対象人数も少ないため一般化はできないが、機器の操作を通して児童が有能感を高める様子が観察できた。この活動についての考察を、”Teaching EFL Elementary School Children in Japan-The Use of ICT to Enhance Motivation-”(平成27年度新潟経営大学紀要)にまとめた。 ICT教材を利用することで、効率的に習得でき英語学習に対する動機付けも高められると考える。
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新潟経営大学紀要
巻: 22 ページ: 27-34