研究課題/領域番号 |
24520723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
石井 健 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30303043)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 史料学 / アーカイブズ学 / イギリス史 / 地域史 |
研究概要 |
本研究は、歴史研究における地域史研究の意義とさらなる可能性を模索するため、これまでおこなわれてきた地域史叙述のあり方・地域史研究の方法論を史学史的かつ社会史的に再考することを目的とし、具体的には、イギリスにおける地域史研究のあり方・地域史叙述のあり方を、文書館、高等教育研究機関、歴史協会といった地域史研究・叙述を支える組織・施設・機関との関係史を通して考察することである。 本年度は、まずその準備段階として、これまでのイギリス地域史研究、並びにイギリスの文書館・歴史協会・大学機関等の歴史と現状について、その全体動向と方法論・叙述のあり方を概観することに努めた。 ついで、イギリス地域史研究のパイオニアであるレスター大学イギリス地方史学科(現イギリス地方史センター)のこれまでの歩みと、とりわけ、この機関が地域史研究者養成に果たした役割と意義について調査し、考察した。より具体的には、この機関に所属した主な地域史研究者の研究成果やその思想を読解し、設立前後から現在までのこの機関の発展を一次史料に基づいて概観した。また、修士課程のプログラムを分析し、学生の学位修得後の職歴を追跡調査することにより、設立目的の一つである養成機関としての役割とその意義を検証した。従来、わが国ではこの機関の初期黄金期における研究動向とその成果については詳細な報告、研究がなされてきた。しかし、1970年代以降の歴史を紹介したものは皆無に等しく、また、この機関の研究面での成果に注目が集中し、教育面での役割は等閑視されてきた。本年度の研究は、こうした欠陥を埋め、この機関の全体像をとらえる最初の試みであり、意義のあるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、おもにイギリス地域史研究黎明期の牽引役となったレスター大学イギリス地方史学科(現イギリス地方史センター)について、その創成期から現代に至るまでの歴史をあきらかにするべく、現地での一次史料の調査をおこない、その成果をもとに考察し、研究会で発表した。その結果、これまであまり取り上げられることのなかったこの機関の通史、並びに教育面での活動を含めた全体像を見通すことが可能となったことは、研究目的に照らし、おおきな前進である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度同様、特定の機関・組織の地域史研究に関わる活動に関して、現地での一次史料の発掘調査を中心に推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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