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2013 年度 実施状況報告書

東アジアが近代国際法に与えた影響の帝政ロシア外交文書を通じた解明

研究課題

研究課題/領域番号 24520728
研究機関国際教養大学

研究代表者

豊田 哲也  国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (40436506)

キーワード国際法 / 文明
研究概要

本研究は、2009年から3年間の計画で進めてきた研究「ヨーロッパ国際法の普遍化に東アジアが与えた影響」(若手研究B21720218)を発展させたものである。そこでは、東アジアが法思想として国際法に与えた影響のみならず、東アジアの国際関係に適用されることを通じてヨーロッパ文明を基礎とした近代国際法がどのように変化していったかを明らかにするように務め、例えば、近代国際法の際立った特徴である領域主権の観念がヨーロッパ勢力の域外への拡大を契機として理論化されていった過程を明らかにする史料などの収集に努めてきた。
しかし、ロシアを視野に収めると更なる知見が開ける。清朝との間にネルチンスク条約(1689年)とキャフタ条約(1727年)という二つの条約を結んだ帝政ロシア外交において、ヨーロッパの国際法と東アジアの国際法とは矛盾をきたすものとは考えられていなかった。両者が矛盾しないと考えられたのは、帝政ロシアの外交観念において、ヨーロッパ国際法はヨーロッパ諸国との関係においてのみ適用されるものであり、普遍的に適用されるものではなかったからである。言い換えれば、帝政ロシアは清朝とは東アジア国際法を使い、ヨーロッパ諸国とはヨーロッパ国際法を用いたのである。本研究を通じ、帝政ロシアの国際法(jus gentium)観念に、ヨーロッパ国際法をヨーロッパに固有で他地域には適用されないと観念する近代国際法のユーロセントリズムの一つの起源を見いだすことができるであろう(あるいは、見いだせないことが明らかにできるかも知れない)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

19世紀の東アジアにおける国際法の展開について、もともとは周辺的イシューであった領土問題についての研究に力をそそぐこととなり、本来の研究課題からはやや脱線したようになっている。今後は、領土問題も含めた現在の国際関係における意義も視野に収めながら、19世紀の国際法の展開についての作業を進めなければならない。

今後の研究の推進方策

資料収集も遅れており、必ずしも本件科研予算の期間にとらわれることなく、更なる史料収集作業も行い、本件研究課題で掲げた研究目標を確実に達成していきたい。

次年度の研究費の使用計画

モスクワへの史料収集のために予定された出張を執行できなかった。
モスクワへの史料収集のための出張を行いたい。

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公開日: 2015-05-28  

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