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2012 年度 実施状況報告書

帝政期ドイツにおけるトランスナショナルな人的移動とジェンダー秩序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520729
研究種目

基盤研究(C)

研究機関専修大学

研究代表者

日暮 美奈子  専修大学, 文学部, 教授 (30384671)

研究分担者 浅田 進史  駒澤大学, 経済学部, 准教授 (30447312)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードトランスナショナル史 / ジェンダー史 / ドイツ史 / 移動 / グローバリゼーション / 帝政期ドイツ / 近代史
研究概要

本年度は、おおむね研究計画通りに進めることができた。まず、5月20日に明治大学にて、本科研メンバー全員で本研究課題についての認識の共有と、今後の研究活動スケジュールについて打ち合わせを行った。その後、先行して立ち上げていたメーリングリストを活用し、意見交換を進めたのち、8月3日に専修大学にて、8・9月にドイツで史料調査・収集を予定しているプロジェクト・メンバー(鈴木楠緒子、伊東直美)の研究発表および討論を行った。
8月・9月にかけて、研究代表者日暮美奈子および上記2名は、各自、プロイセン文化財団州立枢密文書館、ドイツ連邦文書館、ブレーメン州立文書館、ハンブルク州立文書館で現地の史料収集を行った。帝政期ドイツにおける越境的移動と管理システムの在り方を検討するため、日暮は国内での警察の管理について関連史料を収集した。鈴木は国外での管理の在り方を分析するため、関連史料の所蔵状況を調査した。また、伊東は戦時における越境の管理について分析するため、第一次大戦期のロシア系ドイツ人に関する史料を収集した。
本年度後半には、2013年1月12日および3月4日に専修大学にて研究会を開催し、日暮ならびに研究分担者である浅田進史の研究発表および討論、さらには本科研テーマに関連する方法論の検討や研究動向の整理を行った。くわえて、本科研のHPを開設し、活動内容について成果の発信を行っている(http://dgtransnational.web.fc2.com/activities.html)。本HPは、当初、専修大学のサーバーを利用していたが、更新の利便性を考え、期間中は上記のサイトを使用し、事業期間終了後に専修大学のサーバーに移行することにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書どおり、①メーリングリストによるメンバー間の意見交換および研究の推進、②プロジェクト・メンバー3名の現地調査による史料収集、③インターネット上でのホームページの設立および研究プロジェクトの活動・成果の公表、④年4回の研究会の開催を行うことができている。ベルリン自由大学Sebastian Conrad教授との意見交換については、まだ実施できていないが、同じく研究関心を共有する、テュービンゲン大学のYoujae Lee准教授と意見交換を行っている。今年度の研究成果を生かして、次年度にはより積極的な意見交換を予定している。
本年度の研究活動を通じて、ドイツ国内・国外の人的移動を管理・監視する権力の在り方とジェンダー規範の絡み合いを具体的に考察するために、警察史料・領事館史料がきわめて有用であることが確認できた。また、研究分担者である浅田が『境界研究』に、本研究課題に関連する論考を発表し、方法論のレベルでのメンバー間の共通認識を深めることができた。

今後の研究の推進方策

本研究プロジェクトの遂行のため、ひきつづき、①メーリングリストによるメンバー間の意見交換・研究計画の円滑な推進を図ること、②プロジェクト・メンバーの現地調査による史料収集、③ホームページによるインターネット上での研究活動およびその成果の公表、④年4回の研究会の開催を行う。
また、国内学会での研究成果の公開と討論に向けて、メンバー間で議論を行い、学会でのセッション応募のための準備を進める。これまでの史料収集の成果と研究動向の論点整理を踏まえて、帝政期ドイツにおける越境的行為に対する権力側の管理の在り方を、ジェンダー史の視点から議論するセッションを検討している。
さらに、国外の研究者との連携を進めるため、これらの議論の成果を整理し、ドイツ人研究者(上記のSebastian Conrad教授、Youjae Lee准教授など)との意見交換を進める。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 協会運動と三重の国民概念2013

    • 著者名/発表者名
      松本彰
    • 雑誌名

      西洋史論叢

      巻: 34 ページ: 11-17

  • [雑誌論文] 植民地権力と越境のポリティクス――膠州湾租借地におけるドイツ統治を再考する2012

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 雑誌名

      境界研究

      巻: 3 ページ: 117-134

    • 査読あり
  • [学会発表] 婦女売買の作られ方――20世紀初頭ブレーメン警察史料から

    • 著者名/発表者名
      日暮美奈子
    • 学会等名
      西日本ドイツ現代史学会
    • 発表場所
      東亜大学
  • [学会発表] 社会政策学会のなかのドイツ植民地主義―近年の研究動向を中心に

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 学会等名
      西洋近現代史研究会
    • 発表場所
      専修大学
  • [学会発表] 1930年代末の青島経済――日本占領の経済的衝撃

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 学会等名
      政治経済学・経済史学会秋季学術大会パネル「1930年代日本帝国勢力圏内 諸都市の経済変容」
    • 発表場所
      慶應義塾大学
  • [学会発表] 東アジアにおけるドイツ植民地統治と防疫への社会動員――1910・1911年青島での肺ペスト対策を中心に

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 学会等名
      「歴史と人間」研 究会シンポジウム「ドイツ帝国医療は『特有』だったか――その中国ペストとアフリカ眠り病対策を中心に」
    • 発表場所
      一橋大学
  • [学会発表] Einbuergerung der deutschrussischen Kriegsgefangenen: Der Erste Weltkrieg und die Bedeutung der deutschen Abstamm ung、Internationales Graduiertenkolleg (IGK)

    • 著者名/発表者名
      伊東直美
    • 学会等名
      Buerrger und Buergergesellschaft in Deutschland und Japan
    • 発表場所
      東京大学
  • [学会発表] 戦争と国民国家――19世紀と20世紀、ヨーロッパとアジア

    • 著者名/発表者名
      松本彰
    • 学会等名
      19世紀学学会
    • 発表場所
      新潟大学
  • [学会発表] 国歌、国民歌に歌われたドイツ

    • 著者名/発表者名
      松本彰
    • 学会等名
      WINC (Workshop in Critical Theory)
    • 発表場所
      東京外国語大学
  • [図書] 記念碑に刻まれたドイツ2012

    • 著者名/発表者名
      松本彰
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] ドイツ帝国の成立と東アジア――遅れてきたプロイセンによる「開国」2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木楠緒子
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [備考] 帝政期ドイツにおけるトランスナショナルな人的移動とジェンダー秩序に関する研究

    • URL

      http://dgtransnational.web.fc2.com/activities.html

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公開日: 2014-07-24  

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