研究課題/領域番号 |
24520742
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
芳井 研一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, フェロー (90092634)
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キーワード | 日中全面戦争 / 地域社会変容 / 浙贛作戦 / 大陸打通作戦 / 日本陸軍 |
研究概要 |
本年度は、中国北京市の中国社会科学院近代史研究所資料室、アメリカ合衆国ワシントンDCのアメリカ国立公文書館・同議会図書館等において、研究課題に関する調査活動を実施した。また新潟大学で開かれた、関連する研究課題に沿った国際シンポジウム開催を支援し、問題点等を検討した。さらに資料調査の結果を踏まえ、研究論文をまとめ公表した。 10月にはアメリカ合衆国国立公文書館・同議会図書館で史料調査を実施し、アメリカ統合参謀本部関係資料や華中鉄道関係資料等を閲覧した。必要部分をコピーするとともに、日本では入手できない華中鉄道などの一連の資料をマイクロフイルムにより入手した。 11月には中国北京市の中国社会科学院近代史研究所資料室において、近年整理の終わった南満州鉄道会社資料のうち、本課題に関係する資料を閲覧し、必要部分をコピーにより入手した。 また随時東京の国立国会図書館や防衛省戦史研究センター等での調査を実施し、引き続き眞田穣一郎日記等を閲覧しつつ、必要部分をコピー等により入手した。 併行して、収集した資料を読み進み、その成果の一部をとりまとめ、公表した。1月に新潟大学で開かれた、課題に関係する国際シンポジウム開催を支援したが、それに関連する研究成果を共著書に公表した。 また陸軍史上最大の動員規模となった大陸打通作戦の歴史的意義をめぐって資料を読み進み、アメリカ側の対応などを含め多面的な分析を行った上、その成果を『環日本海研究年報』に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題については、研究代表者が多年にわたり取り組んできた南満州鉄道等の資料収集とそれにもどづいた研究成果を踏まえつつ、日中全面戦争期に焦点をすえて新資料を調査しつつ収集し、戦争の展開過程とそれが諸地域にいかなる社会変容をもたらしたかについて研究しているものである。本年度はその第二年度であり、かねての計画通り中国社会科学院近代史研究所やアメリカ国立公文書館・同議会図書館、日本の国会図書館・防衛省戦史研究センター等において資料調査を順調に実施した。 また一連の資料の収集を踏まえ、それらを活用して課題に即した研究をとりまとめ、その一部を公表するなど、おおむね予定通り順調に計画を進展させている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の推進方策の第一は、中国の資料保存機関やアメリカ合衆国、さらにイギリスの資料機関に所蔵されている日中全面戦争期の調査機関などの資料を収集し、適宜目録を作成しつつ研究を進めることである。第二に、収集資料を分析し、日中全面戦争期の占領地支配下の社会変容についての研究成果を公表する。第三に、社会変容に留意しつつ日中全面戦争の展開過程を再検討し、その成果を公表する。第四に、収集した資料を選別し、重要資料中心とした史料集を中国の研究者のグループと連携しつつ編集し、発刊することなどである。 それらの研究計画に沿った調査等は順調に進展しているので、引き続き計画通りに研究を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の最後の資料調査を2014年3月25日・26日に行ったので、その会計処理が次年度廻しとなったため。 すでに国立国会図書館等への出張旅費として使用済みである。
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