本研究の目的は、日中全面戦争期の新史料を調査・整理し、戦争の展開過程とそれが諸地域にいかなる社会変容をもたらしたかについて分析することである。そのため中国社会科学院近代史研究所、上海市档案館、武漢市档案館、米国国立公文書館、英国国立公文書館などにおいて調査を実施し、新史料を収集した。 それに基づき日中全面戦争期の日本の南進論と対中戦争との関係、日米開戦から重慶作戦への展開過程、大陸打通作戦をめぐる軍事面と国際政治面の相克の過程を分析した。他方全面戦争が地域社会を破壊し、厖大な難民を析出させたことに注目した研究を行った。 国際ワークショップを新潟大学において開催し、研究成果の一部を発表した。
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