本研究は、近年の軍事史研究の一つの特徴をなす<軍隊と地域社会>の研究の一環に位置づけられ、首都東京の軍都としての歴史的性格を解明することを目的とする。軍都研究は、昨今いくつの地域事例を積み重ねているが、首都圏・関西圏等の巨大都市の軍事的性格・特質に関する研究は、時期的にも対象領域的にも断片的成果にとどまる。本研究では、東京の、巨大都市圏の中枢(大阪と共通)、かつ帝都(首都、かつ宮城の所在地=東京独自の性格)という両側面に注目しつつ、軍事都市としての形成期から大正・昭和初期の陸軍軍縮期に至る時期を主たる対象にして、軍都としての帝都東京の特質、変遷を明らかにする。
|