研究課題/領域番号 |
24520748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 佐知子 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00181412)
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研究分担者 |
真鍋 昌賢 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (50346152)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 異性装 / 比較文化史 / 服飾 / トランスジェンダー / タイ |
研究概要 |
平成24年度は準備期間から個別的調査期間に当たり、個々の研究結果は研究会を通して研究者、研究分担者・協力者たちに共有された。これまでに四回の報告会を行った。 2012年6月29日(金) 小山有子(大阪大学)「「非常時」のファッション~旧制日本女子大生に聞く「エプロンモンペ」~」、2012年11月29日(木) 真鍋昌賢(北九州市立大学)「浪曲における女流―2代目天中軒雲月を中心として」、2013年1月16日(水) 加納寛(愛知大学)「タイにおける近代化と服飾変遷:ピブーン政権期の女性服飾を中心に」、2013年3月26日(火) 稗島武(飯塚病院)「「既製服」について考える~もうひとつの身体の発見~」 研究会は本研究に関連する研究を行っている研究者をゲストとして招聘することもあった。毎回外部にも公開して開催しており、研究者、研究分担者・協力者のみならず、活発な議論が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書にて、「「異性装」を衣服を軸としつつも、ひろく身体(声を含む)表象全般との関わりのなかに定義し直すことにより、比較文化史研究の基礎的な共有概念として設定することを目指している。」と述べていたが、前述のこれまでに行った研究会では、女性浪曲家について、すなわち、声についての「異性装」の報告も行っており、「異性装」の定義のし直しという観点に鑑みれば、その目的は一定程度達成できていると言えるであろう。
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今後の研究の推進方策 |
引続き本年も数度の研究会を行う予定ではあるが、今年度の大きな行事としてタイのチュラーロンコーン大学にて研究者、研究分担者・推進者を交えてのシンポジウムを8月に予定している。タイは異性装が世界で最もさかんな国であり、また、その研究者も多い。そのような研究者たちを当シンポジウムに招き、意見を交換することで、「異性装の比較文化史」の成果をより高次なものへと発展させたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度は本来の計画では人件費・謝金を予定していなかったが、研究員の雇用、研究会でのゲストの招聘に伴って人件費が発生した。そのため、旅費として計画していた分や書籍購入分を減額したのであるが、そのように計画からの変更があったために当該研究費が生じた次第である。 上記のように、タイでのシンポジウムを予定しているため、それに伴う移動費、滞在費を拠出する予定である。また、当地での通訳、そして前年度に引き続いて研究員を雇用するため、本年も人件費を計上する予定である。
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