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2013 年度 実施状況報告書

室町幕府体制下の地方禅宗による「正統と実力」及び「中央と地方」の統合に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520752
研究機関岡山大学

研究代表者

斎藤 夏来  岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20456627)

キーワード住持籍類 / 地誌 / 寺誌 / 室町幕府 / 五山制度 / 利生塔・安国寺 / 禅宗 / 自治体史
研究概要

1.未刊史料の調査・・東京の史料等所蔵機関に出張し、未刊史料の調査を行った。東京大学史料編纂所で、「諸五山十刹住持籍」「支桑禅刹記」「禅刹住持籍」「五岳前住籍」「南禅寺住持籍」など住持籍類、国会図書館で「豊府紀聞」など地誌類の内容調査をそれぞれ行った。また、出張の必要はなかったが、島根県立図書館と花園大学図書館に問い合わせ、石見安国寺史の寺誌である「国苑掌鑑」を入手し、全文翻刻の作業をおこなった。
2.刊行史料の調査・・室町幕府初期の宗教政策を特徴づける利生塔・安国寺政策から五山制度構築への推移を在地の動向から捉えなおすため、自治体史を集中的に入手し検討を加えた。入手検討した代表的な史料集は、『伊賀市史』『新熊本市史』『広島県史』『福井県史』『新修福岡市史』『社町史』の各中世資料編、中世通史編、『新訂増補国史大系(続左丞抄)』『南北朝遺文 中国四国編』『同 九州編』などである。
3.研究状況のフォロー・・日本中世の宗教状況のなかに、研究課題としている禅宗の特色を位置づけるため、諸宗派、諸思想に関わる専門書を積極的に入手し読書した。代表例として、井上鋭夫『一向一揆の研究』、中尾堯『日蓮宗の成立と展開』、大橋幸泰『キリシタン民衆史の研究』、土田健次郎『道学の形成』を挙げておきたい。
4.上記の作業をふまえ、論考の執筆に着手し、一部公表を実現した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

公務の事情により、未刊史料の出張調査を十分に進められなかった。ただし、研究課題に即して、石見安国寺を中心にみる利生塔・安国寺から五山制度への推移、備中宝福寺とその末寺群にみる禅宗檀越の存在形態など、着眼点や研究対象を具体化することができ、研究成果を論考の形で具体的に示すめどが立ちつつある。
以上により、おおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

1.論考の執筆を進めて、研究成果の公表をめざす。主なテーマは、石見安国寺を素材として、利生塔・安国寺政策から五山制度構築にいたる室町幕府の宗教政策の推移と、備中宝福寺を素材として、中央・荘園領主勢力と、地方・在地勢力との相互関係について、それぞれ検討する予定である。
2.未刊史料の出張調査について、前年度は十分に実行できなかったが、その間もリストアップを続けてきているので、それらの史料の入手と検討を進める。刊行史料についても、主に論考執筆上必要なものを中心に入手する。
3.論考の執筆とは別に、今枝愛眞が提示した「日本の五山・十刹・諸山表」の補訂版を科研費報告書等に掲載し、今後の五山制度研究の基盤とすることをめざす。

次年度の研究費の使用計画

公務の事情により、出張調査を予定通り進められなかった。出張調査に必要な史料のリストアップは進めているので、それに基づき、今年度において出張調査を補う予定である。
1.未刊史料の出張調査をおこなう。
2.日本中世史を中心に、禅宗とそれを取り巻く諸宗派、諸思想に関わる専門書の入手と読み込みを継続する。
3.論考の執筆に必要となる史料集や図録等の入手を必要に応じ進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 史料紹介「石見安国寺誌・国苑掌鑑」2013

    • 著者名/発表者名
      斎藤夏来
    • 雑誌名

      岡山大学大学院教育学研究科研究収録

      巻: 154 ページ: 1-15

  • [雑誌論文] 「大航海時代の戦国あいち展」評ー「近世化」と「禅宗」の視角から2013

    • 著者名/発表者名
      斎藤夏来
    • 雑誌名

      歴史の理論と教育

      巻: 140・141 ページ: 65-77

  • [図書] 東アジアのなかの五山文化2014

    • 著者名/発表者名
      島尾新編
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2015-05-28  

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