研究課題/領域番号 |
24520755
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
真木 隆行 山口大学, 人文学部, 准教授 (00325234)
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キーワード | 布施 / 収支 |
研究概要 |
年度初めの4月に滋賀県へ出張し、延暦寺や園城寺の現地踏査をおこなった。また、西教寺で勤修されている法華千部会を見学し、検討史料中に散見する法華千部会がどのようなものかの参考イメージを体感することができた。 このほか、前年度から継続してすすめている関係史料の収集や整理および内容検討をおこなういっぽうで、今年度には周防国の寺社関係史料を調査する機会があり、しかも仏神事の収支関係がわかる史料がいくつか見つかったことから、前年度以来購入してきた撮影機材等を活用して撮影をおこなった。9月上旬には山口県立山口文書館において寺社関係文書の調査をおこなった。9月16日には宇部市の弘済寺において周防国白松庄の中核的寺社だったと思われる南方八幡宮およびその別当寺の関係文書を調査した。とりわけ南方八幡宮祭礼旧記については、これまで本文と紙背側の文言が区別されぬまま活字化されてきたことが判明し、従来の翻刻を大幅に修正できた。9月29日および10月1日には山口市の中領八幡宮において周防国椹野庄の中核的な寺社だったと思われる同宮およびその別当寺の関係文書を調査した結果、『山口県史 史料編』に漏れていた史料を見つけることができた。ただしこの神社の別当寺については中世後期になると旧仏教系ではなくなっていた可能性があるように見受けられた。3月26日および27日には山口市の山口大神宮において高嶺神明・山口祇園社の関係文書を調査した。以上のうち、南方八幡宮祭礼旧記については、2月28日に追加の最終確認調査を実施し、検討成果を活字翻刻と写真版掲載を付した論文の形で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
地域寺社の収支関係史料に触れる機会が多くなったため、そちらの検討を先にすすめた結果、後七日御修法・御斎会・護持僧長日御修法の収支関係史料の収集整理の続きが後回しとなって未完となっている。
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今後の研究の推進方策 |
後七日御修法・御斎会・護持僧長日御修法の収支関係史料の収集整理を終えて論文を執筆する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度では、地域寺社関係史料の調査と検討の機会に恵まれた。そこで本来は次年度に実施する予定だったこの作業を先に実施することとした。調査地が近くになったことから、調査旅費の大幅な節約につながった。そこで当初予定していた遠方への出張については、次年度に繰り越して実施できるよう、節約分を次年度使用額にまわすことにした。 当該年度に予定していた東京出張や関西方面出張を夏季に実施し、関係史料の収集と整理を完了させながら論文執筆をすすめる。
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