研究課題/領域番号 |
24520760
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
青木 歳幸 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 特命教員 (60444866)
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研究分担者 |
小川 亜弥子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70274397)
ミヒェル ヴォルフガング 公益財団法人 研医会, 研究員 (90619769)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 佐賀藩 / 中津藩 / 長州藩 / 医学教育 / 種痘 / 好生館 |
研究実績の概要 |
1)最終年度の研究成果 最終年度は、4回の研究会を開催し、共同でかつ独自に調査をすすめ、26年度末に、研究成果報告書(A5版、353頁)を刊行し、本研究は着実な成果をあげた。代表者青木歳幸は、佐賀大学美術館「医学のあけぼのから先端医療まで}展などの展示協力や諸講演などを行い、研究成果報告書には、「佐賀藩医学概要」・「種痘法の普及と在来知」・「引痘方とその活動」の3論考を掲載し、天保5年(1834)設立の医学校医学寮でのドイツ医学教育、佐賀藩の種痘は全額藩費で賄われていたことなど、藩営による佐賀藩医学教育の特徴を報告できた。単著『伊東玄朴』の執筆刊行により、江戸の象先堂塾での医学教育の実態を明らかにした。分担者小川亜弥子は、「幕末期長州藩における医学館の創設とその機能」(『洋学』21号、2014年、研究成果報告書に改稿所収)を報告し、天保11年の医学稽古場、嘉永2年(1849)の済生堂(医学館)、翌年の医学校好生館へと発展した長州藩の医学教育の特徴を明らかにした。分担者ミヒェル・ヴォルフガングは、第111回日本医史学会(九州国立博物館・太宰府市)を会長として主催し「近世日本の医学・医療と異文化交流」を講演のほか、「中津地方における医学教育の近代化」(研究成果報告書所収)を報告し、中津藩医学館は藩民が支えたことなどの中津藩医学教育の特徴を明らかにした。 2)年次計画に従って順調に調査研究が進展し、26年度末に研究成果報告書『西南諸藩の医学教育』を刊行できた。上記論考のほか、研究協力者の海原亮「徳山毛利家文庫「医学館一事記」にみる医療環境と医学教育」、三木恵里子「医学初学者の京学―皆川淇園塾の例」を掲載し、史料編として、多久島澄子『峯源次郎日記』(安政2年~明治24年まで)を史料翻刻し、幕末から明治にかけての佐賀藩及び我が国近代医学史・政治史に新史料を提供できた。
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