研究課題/領域番号 |
24520763
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
脊古 真哉 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 研究員 (20448707)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 絵画史料 / 浄土教 / 聖徳太子信仰 / 宗教儀礼 / 神仏習合 |
研究概要 |
平成24年度は、3年間の研究期間の第一年目として、各地での中世宗教絵画史料の調査と、これらと密接にかかわる文字史料、寺院・仏堂・神社等での行事・儀礼についての調査を精力的に実施した。また、地方史誌類、博物館等の展示図録、行事・儀礼のDVD などの収集に努めた。さらに外部の研究者を招聘しての2回の研究会を開催した。 これらの調査・研究を実施してゆくなかで、個々の宗教絵画や付随する文字史料についての時代判定や真偽判定の精度をさらに向上することができたと考えている。また、日本の歴史的な宗教現象の中核を占める神仏習合についての、教団史や宗派史を超えた、教理や教義からうかがえるものとは異なる姿が、より明確に理解できるようになってきたと考えている。 研究会では、外部招聘者の報告に加えて、脊古の報告も実施し、多岐にわたる有意義な議論をおこなうことができた。調査への同行の研究者や訪問先の博物館等の研究者とも、多くの情報交換・議論が実施できた。研究会の開催は当初3回を予定していたが、招聘予定の外部研究者の都合により、1回を次年度に延期することとなった。 以上の研究成果を各種研究会(宗教史研究会など)で報告し、行事・儀礼との関係については「滝山寺の鬼祭―修正の田遊びと鬼会―」(『同朋大学仏教文化研究所紀要』32)として発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って、絵画史料、文字史料、行事・儀礼の調査を実施してゆくことができており、図書等の収集についても順調に進められている。また、神仏習合についての絵画史料や行事・儀礼を通じてのあらたな視点の見通しを得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
基本的には当初計画通りに研究を進めてゆく。なるべく多くの調査を実施したい。 当初26年度に予定していた、本研究の成果の一端を示す同朋大学仏教文化研究所での展示事業が、予定より1年早まったので、25年度前期(7月)に「聖徳太子信仰の世界」と題して、絵画史料を中心とした展示を実施する。このため、25年度前期には、この展示に関する研究会を開催する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初の研究計画通り、調査旅費、調査にともなう消耗品費、図書費等の物品費、研究会招聘者への謝金、調査の補助や資料整理の為の謝金の支出を予定している。
|