研究課題/領域番号 |
24520771
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
耒代 誠仁 桜美林大学, 総合科学系, 講師 (00401456)
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キーワード | 日本史 / 古文書 / 情報検索 / パターン認識 |
研究概要 |
古代木簡を含む古文書解読支援のための情報検索技術に関する実績については次の通りである。 破損字体検索技術については、字形として誤抽出された記録媒体の模様・汚損などの除去、および字形の欠損に対する補完を同時に処理する手法を実現した。これにより、抽出された字形に残るノイズを大幅に削減しつつ字形本来の形状を復元し、検索精度に影響する字形の形状評価を高度化することに成功した。 高精度画像処理技術については、デジタル画像を構成する複数のチャネルを統合的に評価するモデルを実装した。これによって、画像の視認性向上および前述した字形抽出処理に必要となるユーザの操作を簡略化し、字形検索のユーザビリティ向上を果たした。 絞り込み検索技術については、奈良文化財研究所の木簡字典の整備に合わせてメタデータの追加整備を継続している。また、後述する情報検索インタフェースとも関連するが、欠損部分を指示する方法として電子ペン・マウスによる領域指定方法の他に、タッチパネルを持つコンピュータ向けに指先での欠損領域指定を可能とする技術についても実装を行った。 情報検索インタフェースについては、これまでMokkanshopが動作環境としてきたデスクトップ/ノート型PCとは異なるタッチ対応コンピュータ向けに、タッチ操作に対応した新しいGUIのプロトタイピングを行った。このGUIはフルHDあるいはそれ以上の解像度を持つ高精細液晶画面に対応しており、情報機器の進歩に合わせたアップデートとなっている。 評価実験については、奈良文化財研究所の協力を得て実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した今年度の研究計画に照らして、各項目に対する成果をあげることができている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究計画に沿って推進する。なお、PC等に搭載されている液晶画面の高精細化が進んでおり、これまで以上にデジタル画像コンテンツに対する注目が集まっているため、本研究においてもそのような社会的ニーズに沿った成果が出せるよう努力する。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請時に購入を予定していた機材の価格変動などによって差分が生じたものである。 次年度使用額は研究計画全体に大きな影響を与える規模ではないが、少しでも有効に使用できるように細心の注意を払う。
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