研究課題/領域番号 |
24520784
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
近藤 正己 近畿大学, 文芸学部, 教授 (70247956)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 台湾 |
研究概要 |
本研究課題は、内海忠司日記の全官僚時期のテキスト・データの完成をはかり、内地統治と植民地統治における政策立案や統治技術の比較・検討をもとに、内地と植民地を視野におさめた帝国日本の官僚統治の分析を目的としている。このうち、後者においては、近藤正己、北村嘉恵が中心となり、「退職官僚と台湾倶楽部・台湾協会」、「台湾総督府東京出張所に関する史的素描 ―植民地統治のもうひとつの拠点」、「「官」と「民」の狭間に見た戦時期台湾 ―-内海忠司の視点-」、「戦時台湾の化学企業と軍部 ―ー南日本化学工業会社と陸軍」などについて、研究発表し、議論を重ねた。その結果を学会報告すべく、日本台湾学会に発表申請をしたところ、平成25年5月に広島大学で開催される日本台湾学会第15回学術大会で、「元台湾総督府官僚・内海忠司からみた植民地支配 ―戦争・台湾・帝都」の分科会を催すことになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度には当初、1910~27年の内海忠司日記の翻刻準備をメインとしていた。内海忠司日記の翻刻には京都大学文学研究科の林晋教授と永井和教授の協力を得て、文献資料研究用ツールSMART-GSを応用することであった。該ツールを用いるには前処理と呼ばれる準備作業が必要であることがわかっていたが、この前処理が予想以上に困難であり、翻刻が大幅に遅れることになった。一方、メンバーは該ツールによる最新のノウハウを伝授してもらい、その使用方法を会得しようとつとめ、内海日記に適した方法を模索している。SMART-GSのすぐれた機能を駆使するための学習時間と、画像データの前処理におわれていた。
|
今後の研究の推進方策 |
前処理もほとんど完了したので、平成25年度では文献資料研究用ツールSMART-GSを応用して翻刻に進む。このSMART-GSの使用により、従来の経験と勘に頼ってきた翻刻作業を科学的に精緻化するとともに、時間的にも迅速に進め、これまでの遅れを取り戻すつもりである。
|
次年度の研究費の使用計画 |
翻刻にあたる人件費・謝金が主となるほか、調査のための国内旅費として使用する予定である。
|