本年度は、最終年度として、2年間実施した震災資料(特に、避難所関係資料)の整理及び目録作成作業を実施した。阪神・淡路大震災から20年を経過してこともあり、自治体による20周年事業なども実施され、一定の関心を惹起するなかでの研究環境であった。 そのため、神戸市域の小学校及び中学校に所在するであろう震災資料の調査を、各校長会の協力のもと円滑に実施することができた。その成果は、神戸学院大学人文学部紀要に公表した(3編)。 研究目標の1つである、東日本大震災被災地における避難所の様態については、被災地の自治体(仙台市、名取市、亘理郡山元町、石巻市など)を調査した。しかし、震災から3年という復旧・復興過程のなかでの調査であり、震災資料の残存が極端に少ないことを調査知見として得ることができた。 また、宮城県図書館における震災資料の集積及び調査概要を調査し、ここでも避難所関係資料の収集が極端に少ないことを指摘することができた。 以上の成果及び調査過程をもとに、2014年10月に開催されたが人文学会(神戸学院大学)において研究成果を、史料学的観点から口頭発表した。
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