研究課題/領域番号 |
24520788
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
小林 丈広 奈良大学, 文学部, 教授 (60467397)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 近現代史 / 都市 / 地方自治 / 地方制度 / 公共政策 |
研究概要 |
今年度は当該研究課題の初年度ということで、最小限の必要機材の整備と、対象地域についての予備調査を中心に実施した。とくに、主要な調査対象として予定している新潟、金沢の予備調査を実施できたことは、今後の調査にとって有益であった。新潟については膨大な史料の中から今後の作業に必要なものを抽出するための手がかりを得た。金沢については、市立図書館において、これまで活用されていなかった史料群を発見し、その一部を複写することができた。いずれも、計画的に調査を進める必要がある地域であるので、それぞれの史料の所蔵施設の研究者とも意見交換をしながら、調査を進めているところである。 また、調査先の協力が得られたことから、東京、仙台など東北地方、京都などの調査も実施し、静岡については文献の収集を行った。仙台など東北地方の調査は、震災からの復旧を待って、緊急に行ったものであるが、関係機関の協力も得られ、史料保存の実情についても一定の知見を得ることができた。京都に関しては、これまで収集した史料を使用し、基本となる地図の作成を行った。これは、今後、研究成果をまとめる際に、参考にするためのものである。作図にあたっては、地理学の専門家の協力を得ることもできた。 今後の調査のために、調査できなかった地域についても情報収集に努めた。具体的には、大阪、尼崎、福井、徳島、鹿児島などである。この中には、これまでの調査では十分史料を収集できなかったところも含まれており、今後の調査に一定の可能性を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、初年度ということで、研究対象となる地域の予備調査に力を入れた。その結果、未調査の地域にも史料収集の可能性があることがわかり、全体計画の見直しに時間をかけることになった。また、これまで調査経験がある金沢などでも、新出史料があるなど、個別調査の進展により、未着手の調査がいくつか残ることになった。政府の動向についての調査も、次年度以降の調査の課題として残されている。 以上は、最初に予備調査とデータの整理に力を入れたためであり、これにより、次年度以降の調査がより円滑に進められるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した予備調査の結果を受けて、調査対象とする地域を絞り込み、関係史料の収集をより効率的に行うこととする。また、これまでの調査においても、なお未調査の地域が残されており、補充調査にも力を入れる。 また、政府の都市政策についての史料調査も並行して進める必要がある。近年、国立公文書館における行政文書の公開が促進されており、調査の条件が整いつつある。そこで、これまで通り出張による調査を行うと同時に、インターネットを利用したデータベースの活用も積極的に行う。 以上のような作業を受けて、近代日本の都市政策の創設過程が明らかになるよう、収集した情報の整理方法についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費については、これまで通り、必要な一次史料及び文献の収集に力を入れ、同時にインターネットとデータベースの構築に必要な条件整備を行う。 旅費については、金沢・新潟・静岡・東京など、これまで調査を行ってきた地域の調査を継続して行う。また、未調査の地域についても、条件が整い次第、調査を行うこととする。 人件費については、データの整理のために若干の人員を予定している。また、調査対象の地域について、その事情に詳しい補助者を得られた場合には、必要な作業を委嘱する。 その他、対象地域の調査に伴い、史料の複写は積極的に行う。マイクロフィルムのデータ化にも力を入れたい。
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