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2012 年度 実施状況報告書

近代日本における企業家の社会史-政治・経済・文化-

研究課題

研究課題/領域番号 24520794
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北九州市立自然史・歴史博物館

研究代表者

日比野 利信  北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, その他 (90372234)

研究分担者 中村 尚史  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60262086)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード企業家 / 地方財閥 / 社会史 / 安川敬一郎 / 北九州 / 筑豊 / 石炭 / 美術品
研究概要

本共同研究の全メンバーが参加する研究会を2回行い、これまでの安川敬一郎研究の成果と課題について、特に本共同研究の前提である有馬学編『近代日本の企業家と政治』とその後の進展状況を整理し、各自の研究課題を確認した。また、明治時代の安川敬一郎日記から美術品収集・鑑賞に関する記事を集成した中間報告と、安川が日中合弁事業として九州製鋼株式会社を設立する経緯と背景を解明しようとする報告を得た。
研究会開催に合わせて、北九州市立自然史・歴史博物館が所蔵する松本家資料の概要調査を行い、博物館において継続して一通り終了し、データベースを作成した。また、安川が経営した明治鉱業明治・赤池・豊国炭鉱跡地の現地調査を行った。ごく一部ながら炭鉱関連施設が残存し、関係資料が地区の公民館に保管されていることを確認できた。
在京のメンバーは3回にわたり、明治時代の安川敬一郎日記の検討会を行い、あらためて当該期の安川の動向において注目される事柄を明示することができた。そのうちの1回には日比野と永島が出席した。
さらに、研究代表者の日比野が東京の渋沢史料館、出光美術館、静嘉堂文庫美術館、横浜開港資料館で企業家の資料やコレクションと展示の調査を行った。渋沢栄一や岩崎弥之助の関係資料には北九州地域の企業への関与について知ることのできる資料が見られる。両者と安川の関係も深く、追跡調査が必要である。安川敬一郎五男の安川第五郎日記の所在について、第五郎の子孫や株式会社安川電機の関係者を通して探索したが発見にはいたらなかった。
以上のように、初年度は本共同研究を進める上での基礎作業と基盤整備を行うとともに、研究の可能性を確認することができたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本共同研究の基礎作業・基盤整備については、松本家資料の整理をはじめ計画通りに進行した。また、安川の日中合弁事業や美術品収集、避暑旅行については新しい知見を得ることができた。しかし、それ以外にメンバーがそれぞれ分担している研究課題については、報告できるような具体的な成果を得るにはいたっていない。
その最大の理由は、研究代表者の日比野が博物館学芸員として常設展の改装と特別展の実施を中心的に担当し、共同研究を主導・推進していくための時間を確保できなかったことにある。

今後の研究の推進方策

安川家資料と松本家資料について詳細な調査を行い、データベースを完成させる。他の関係資料について、九州グループと関東グループそれぞれ調査を行う。在外資料については特別チームを編成して調査を行う。
以上の調査と平行して、前年度と同様に、メンバー全員が参加する研究会と資料調査・現地調査を2回実施する。研究会では上記の資料調査の成果と、各自の研究の進行状況を報告・確認する。その上で、報告書の構成と執筆についても協議したい。
なお合わせて、アルバイトを雇用して、データベース作成など必要な作業を進めたい。

次年度の研究費の使用計画

旅費については、2回の研究会と資料調査・現地調査のために関東グループの北九州への旅費を計上している。また日比野・富岡を中心に、安川がなにがしか関わった美術品の調査を東京と関西で行う旅費を計上している。在外資料調査の旅費も計上している。
データベース作成などの作業を進めるために雇用するアルバイトの謝金を計上している。

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公開日: 2014-07-24  

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