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2012 年度 実施状況報告書

ワクフ制度の理念と現実

研究課題

研究課題/領域番号 24520803
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

伊藤 隆郎  神戸大学, その他の研究科, 准教授 (60464260)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードワクフ / エジプト / シリア / マムルーク朝 / 公益
研究概要

本研究は、目的として以下の3つを設定した。(1)マムルーク朝時代ワクフのケーススタディを進める、(2)ワクフ経営の変遷を長期的に追跡する、(3)ワクフの諸問題とそれらについての議論及び影響を明らかにする。
このうち特に(1)に関わる成果として、アメリカ・シカゴ大学図書館におけるマムルーク朝時代関連資料の調査を挙げることができる。同図書館には、他所では容易に利用できない資料が複数所蔵されている。とりわけ、本来エジプト・カイロのワクフ省に所蔵されるワクフ設定文書のマイクロフィルム複製を閲覧できたのは大きな収穫であった。というのも、これらの文書をワクフ省で見ようとしても、利用時間は平日の午前中のみであり、また担当者不在で利用できないこともあるなど、調査の質も量も限られるが、シカゴではマイクロフィルムに収められた多数の文書をまず瞥見し、その後必要なものを精査することができたからである。その結果、スルタン=カーイトバーイ(在位1468-95年)のワクフ設定文書2点、カーンサウフ・アルガウリー(在位1501-16年)のワクフ設定文書1点、バルスバーイ(在位1422-38年)のワクフ設定文書集、マムルークの娘の1395年に始まるワクフ設定の文書集、アミール=クルクマースの1500年に始まるワクフ設定の文書集を詳しく検討することができた。
また、(1)-(3)いずれの目的についても、関連する刊行資料をシカゴ大学図書館及び他所において収集し、検討を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特にアメリカ・シカゴ大学図書館に所蔵されるマムルーク朝時代のワクフ設定文書3点と文書集3点を精査したことにより、目的(1)に沿った研究を進めることができた。
目的(2)と(3)についても、関連資料を収集し、検討を進めているところである。

今後の研究の推進方策

25年度にエジプト・カイロ及びトルコ・イスタンブルに赴き、資料調査・収集をおこなう。目的(1)については、検討・考察結果を論文にまとめて公表し始める。(2)と(3)については、これまでに入手した史料に基づいた検討を進める。
海外での資料調査・収集は、26年度にはカイロで、27年度にはイスタンブルでそれぞれ集中的におこなう。
また、いずれの目的に即した研究においても、成果を積極的に公表していく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額として497円が生じたが、小額であり、25年度中に消耗品費等として有効に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(4)2013

    • 著者名/発表者名
      谷口淳一、清水和裕、近藤真美、伊藤隆郎ほか
    • 雑誌名

      史窓

      巻: 70 ページ: 31-49

  • [雑誌論文] 五十嵐大介著『中世イスラーム国家の財政と寄進』2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤隆郎
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 121-12 ページ: 80-89

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公開日: 2014-07-24  

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