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2014 年度 実施状況報告書

ワクフ制度の理念と現実

研究課題

研究課題/領域番号 24520803
研究機関神戸大学

研究代表者

伊藤 隆郎  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60464260)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードワクフ / エジプト / シリア / マムルーク朝 / 公益
研究実績の概要

本研究の目的は、次の3つである。(1)マムルーク朝時代のワクフのケーススタディを進める、(2)ワクフ経営の変遷を長期的に追跡する、(3)ワクフの諸問題とそれらについての議論及び影響を明らかにする。
25年度の(1)に関する成果は、ドイツのゴータ図書館に所蔵されているマムルーク朝スルターン=バルスバーイ(在位1422-38年)及びアミール=クルクマース(1510年没)のワクフ設定文書を、シカゴ図書館に所蔵されている文書と比較しつつ、検討を進めたことである。また、イギリスのボドリアン図書館所蔵のワクフ設定文書の断片(MS Arab. c. 86(R))の校訂作業も進めている。
(1)と(2)については、アイユーブ朝末期のダマスクスで活躍した学者であり商人でもあるウスマーン・ブン・アスアド・イブン・アルムナッジャー(1244年没)のワクフ文書について検討中である。
(3)に関しては、予定通りスユーティー(1505年没)とワクフ問題の関わりについて学会発表を行った後、論文にまとめ投稿した。
その他、(1)ー(3)いずれの目的についても、関連する刊行資料を収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の目的(1)については、バルスバーイ及びクルクマースのワクフ設定文書の研究成果を論文にまとめて発表する段階に入っている。また、(1)と(2)について、イブン・アルムナッジャーのワクフ文書及びマムルーク朝末期までの彼の家族史について7月に学会発表することが決まっている。さらに(3)について、スユーティーに関する論文を完成した。
したがって、いずれの目的についても、関連資料を収集して着実に検討を進めており、成果を挙げつつあるといえる。

今後の研究の推進方策

27年8月にトルコのイスタンブルに赴き、資料調査・収集を行う。
上記(1)ー(3)いずれの目的についても、検討・考察結果を論文にまとめて公表する。
また、以上の成果も踏まえながら、博士論文の加筆修正を行い、出版用の原稿を完成する。

次年度使用額が生じた理由

27年2月または3月にトルコ・イスタンブルで資料調査をするつもりであったが、図書館・文書館の利用申請がなかなか進まなかった上に体調不良が重なり(2度インフルエンザに罹患)、延期することにしたため。

次年度使用額の使用計画

27年8月にイスタンブルで資料調査を行う。また、6月にベルギー・リエージュ、7月にドイツ・ボンで学会発表することになっている。それらの旅費、学会発表原稿、論文のための英文校閲費を中心に、次年度使用額を含めた27年度予算を有効に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(6)2015

    • 著者名/発表者名
      谷口淳一、清水和裕、近藤真美、伊藤隆郎ほか
    • 雑誌名

      史窓

      巻: 72 ページ: 63-79

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Al-Maqrizi's Biography of Timur2015

    • 著者名/発表者名
      Takao Ito
    • 雑誌名

      Arabica

      巻: 62 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] Al-Suyuti and Problems of the Waqf2014

    • 著者名/発表者名
      Takao Ito
    • 学会等名
      Conference of the School of Mamluk Studies
    • 発表場所
      ヴェネツィア大学(イタリア)
    • 年月日
      2014-06-23 – 2014-06-25

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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