研究課題/領域番号 |
24520810
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
阿部 幸信 中央大学, 文学部, 教授 (60346731)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 亀鈕(国際研究者交流、中国) / 漢印(国際研究者交流、中国) / 地域性(国際研究者交流、中国・台湾) / 南方文化(国際研究者交流、中国) |
研究実績の概要 |
亀鈕印を含めた漢印の検討、ならびにそれに基づく漢代の天下秩序・国家秩序に関する考察の成果を2篇の論稿にまとめ、国際学会において報告した。これらはいずれも、2015年度中に中国で公刊される予定である。また、湖南大学岳麓書院の陳松長教授とは、3月に1回(於長沙)・8月に2回(於成都・長沙)面会し、研究遂行上の貴重な示唆を得たほか、湖南出土の亀鈕印に関して具体的な意見交換も行った。湖北出土の異民族印については、武漢大学の魏斌教授と継続的に情報交換を重ね、出土地点の歴史地理学的意義も含めた多角的な検討を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度途中に入院を伴う長期に亙る体調不良があり、海外での研究成果報告や調査を見合わせなければならない事態が複数回あった。現在はすでに回復しており、2015年度の研究実施に支障はないが、現地(とくに北京)における印章の実見調査が遅延したことの影響は免れない。また、調査先として予定していた湖南省博物館(本研究にとって決定的な意味をもつ、初期の亀鈕印が収められている)が長期改修中であることも、遅れの原因として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
北京ならびに山東・山西・湖北・陝西における遺物・遺跡の現地調査に関しては、すでに現地との折衝を進めており、山西・湖北については具体的な時期もおおよそ決まっているため、今後は概ね順調に進められるものと思われる。湖南についても、調査先との交渉は済んでいるが、博物館の改修じたいが2015年度内には終わらないとの情報を得ており、研究期間内に実現しない可能性が高い。これについては、現在のところ、写真版の入手によって当面の解決を図ることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
病気療養や天候不良によるフライト取消により、海外渡航の中止を複数回に亙って余儀なくされたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
本来の使用目的どおり、遺物・遺跡の調査および海外での研究成果報告に使用する。
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