研究課題
基盤研究(C)
本研究は、亀鈕印の形状分析をとおして、漢王朝による諸地域制度の統合過程を検討したものである。結果として、漢の亀鈕印は戦国楚の文化的影響を受けたものであり、前漢武帝期に正式に制度化され、亀を臣下の象徴とする思想とともに、前漢末に造形形式が固められていったことが明らかになった。武帝期以降の漢王朝は、楚に代表される南方の文化をも取り入れながら、秦とは異なる新しい制度を創りあげていったのである。
中国古代史