研究課題/領域番号 |
24520816
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
大内 文雄 龍谷大学, 文学部, 教授 (50103114)
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研究分担者 |
松浦 典弘 大谷大学, 文学部, 准教授 (80319813)
藤井 政彦 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (10514333)
戸次 顕彰 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (50549540)
今西 智久 大谷大学, 文学部, 助教 (60635374)
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キーワード | 中国仏教史 / 東洋史 / 仏教学 / 戒律 / 経典目録 / 護法 / 僧伝 / 唐代 |
研究概要 |
本研究は広範囲にわたる道宣の著作を「第1群:戒律に関わる著作群」「第2群:経典目録」「第3群:史伝関係の著作群」「第4群:護法・三教論争に関係する著作群」の4種に分類し、それぞれに担当者を配当して総序や篇序を解読し、現代語訳を含むその成果を共同研究の場に附し、原稿に対する数次の検討を経て、成稿を得たものを成果として公表することを目指している。 第1群では、24年度からの継続として『釈門章服儀』序および後批の原稿作成ならびに共同研究の場での討議が終了し、成果の公表が待たれる。また『四分律行事鈔』は序文全体を分割し、「前序」と呼ばれる冒頭部分ならびに「後序」と呼ばれる末尾部分が討議の場に附され、全体の三分の一程度がほぼ終了している。 また第2群では『釈迦氏譜』序の検討が終わり、第4群では『広弘明集』帰正篇序・慈済篇序・誡功篇序が完成し、25年度末の時点では僧行篇序の討議にも進んでいる。 以上のように討議が完了したものについては、担当者各自がそれぞれ形式を整えた上で、研究代表者・研究分担者が所属する龍谷大学や大谷大学関係の学術雑誌等において成果公表の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
広範囲にわたる道宣の著作の中でも平成25年度は戒律関係の著作や『広弘明集』に代表される護法・三教論争に関係する著作について着々と討議が進んでいる。これらは比較的分量の多い著作であるため、完了までには多少の時間を要するが、研究代表者・研究分担者とが協力し分担していくことによって、研究期間内に完成の目途をつけることを目指している。
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今後の研究の推進方策 |
分担者それぞれが担当している文献の読解を順次進めていき、全体で討議した上で成果を公表する準備に取り掛かっていく。具体的には『四分律行事鈔』序・『広弘明集』各篇序・『大唐内典録』が目下の課題となる。その他にも、研究代表者の大学院担当授業で読解が進められている『続高僧伝』各篇・論の訳注も、一部加筆や修正を行って形式を整えるなどの作業をすることによって新たな成果として加えることができる。 さらに各担当者は文献の解読を進めると同時に、各担当領域に関わる論文の作成を目指しており、多岐にわたる道宣著作の共通点・相違点あるいは著作間の連関関係を明確にした上で道宣の著作活動の全体像を明確にしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究における研究活動の中で、担当者が各自で行う解読作業や学術交流に関係する支出があった。しかし次年度使用額が生じた理由として、研究成果の公表に向けた印刷費や外部講師を招聘した公開講演会の実施についてが次年度への持ち越しとなったことが挙げられる。また、継続的に進めている『続高僧伝』の各篇・論の解読作業については、校正や入力作業などに人件費を要するが、これらの作業を進めていく上での人員と時間の確保が当該年度ではなく、次年度への課題となったことも理由として挙げられる。 次年度の研究費使用計画として、当該研究課題を推進していく上で必要な図書、特に中国中世仏教史関係図書の購入、成果公表に向けた編集作業に関わる人件費ならびに印刷・製本代、各種学会や研究会に参加するための旅費、外部講師を招聘した公開講演会の実施を予定している。
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