研究課題/領域番号 |
24520818
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
呂 順長 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (40388591)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国 / 日中交流 / 教育交流 / 資料調査 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、主に次の作業を行った。 1、研究メンバーが収集済みの資料を活用し、清末における日中教育交流の実態の究明を目指して各自関心を持つテーマを設けて研究を行った。たとえば、商務印書館刊行の『教育雑誌』(1909-1948)に掲載された日本教育関連の記事を、1909-1911年の3年分のものに限定して文芸欄の教育小説、論文などの翻訳作品、記事欄の日本教育情報、広告欄にみる日本書籍目録などの内容を中心に紹介・分析し、日本の近代教育の中国への影響の一端を明らかにした。また、日本の教育記事を大量に載せた『教育世界』(1901年創刊)に対しては、その主な内容と日本語翻訳者を整理し、その翻訳の特徴と背景を明らかにした。 2、研究協力を強化すべく、王宝平氏を日本に招へいし、資料調査の協力を得ると同時に意見交換を行った。さらに研究協力者として趙瑞(同志社大学在学、修士課程2年、日中交流史専攻)、張希(同前)の二名に本科研に参加していただき、目録の作成などの協力を得た。 3、研究代表者が湖南図書館と湖北図書館に対して、教育雑誌の所蔵状況を中心に調査を行った。 4、関連図書を若干購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、清末民国初期の中国各地の教育雑誌に掲載された日中の教育交流や日本の教育事情などに関する記事を調査・収集し、その資料を活用して、近代において日本がどのように中国の教育近代化に影響を与えたかなど、清末民国初期の日中教育交流の実態をさらに実証的に解明しようとするものである。 研究計画のとおり、初年度の平成24年度は研究体制の確立、中国の教育雑誌に見る日本教育関係の記事の調査と収集を主に行った。平成25年度は、資料の収集を継続しながら収集済みの資料を整理しその目録と解題を作成した。平成26年度は、主に清末における日中教育交流の実態の究明を目指して各自関心を持つテーマを設けて研究を行った。このように資料の収集と整理、さらに研究分析もおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の平成27年度は、主に次のような作業を行う予定である。 1、研究メンバーが引き続き清末民国初期における日中教育交流の実態の究明を目指して各自関心を持つテーマを設けて研究を行う。 2、中国国家図書館の所蔵資料に詳しい中国国家図書館文献センター教授の張廷銀氏、近代日中教育交流を研究テーマとしている浙江工商大学の許海華博士に研究協力を依頼し、協力体制を強化する。 3、8月上旬に大阪にて研究メンバーによる研究討論会を開き、研究内容などを相互確認し意見交換を行う。 4、研究代表者が研究報告書をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者の楊暁遼寧師範大学教授を日本に招いて共同研究を行う予定であったが、都合により見送られた。
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次年度使用額の使用計画 |
1、海外と日本国内の研究協力者計6名を大阪に招いて共同研究と研究討論会を開く。本年度の約8割の予算はこれに充てる。 2、研究代表者の学会参加費。 3、研究報告書の作成費用。
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