研究課題/領域番号 |
24520820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)古代オリエント博物館 |
研究代表者 |
津村 眞輝子 (財)古代オリエント博物館, その他部局等, 研究員 (60238128)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 銀貨 / サーサーン朝ペルシア / 初期イスラーム時代 / 東西交流 / イラン |
研究概要 |
本研究の目的は、サーサーン朝ペルシアおよび初期イスラーム政権が発行した「サーサーン式銀貨」が西アジア~中央アジア~中国西域でどのように流通し、利用されてきたかの実態にせまることにある。一括出土した資料を丹念に実施することで得られる情報、特にコインが流通する中で付加される要素(墨書、後刻印、擦痕、針書等)に注目することで、出自来歴が不明確な国内外の美術館、博物館、個人所蔵の資料を再調査し、サーサーン式銀貨のデータを再構築する。研究計画は(1)一括出土サーサーン式銀貨の精査と公開、(2)国内外に所蔵されているサーサーン式銀貨における後刻印と擦痕の調査、データ化、分類検討という2つの大きなテーマよりなる。 24年度は(1)の一括出土サーサーン式銀貨の精査については、イラン出土の一括資料のデータ化、リスト化を進め、国内資料は “A Preliminary Report of a Seventh Century Sasanian Silver Drachm Hoard in Ancient Orient Museum, Tokyo “として調査結果を報告した。(2)は、特に国内の博物館、美術館、研究所、個人コレクションのサーサーン式銀貨の調査を進めた。海外所蔵の資料はコインカタログ、所蔵品目録、発掘報告書などからの情報を集積、データ化が中心となった。国内資料の調査結果は “Scrapes and Countermarks on Sasanian and Sasanian-type Silver Coins (1)”として『古代オリエント博物館紀要』第32巻にて報告し、一部をInternational Conference on Iran-India: Sasanian and Post-Sasanian Periods(インド国際センター(ニューデリー)) にて口頭発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外の資料調査については、カタログ、報告書からの集積、データ化は進んだが、実際の現地調査については24年度に予定していた全てを網羅できていない。25年度に集中的に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
報告書、カタログ等からのデータ化については、23年度同様に進める。 実地調査については、24年度に実施できなかった分も含めて、集中的に実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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