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2013 年度 実施状況報告書

近世神聖ローマ帝国における永久帝国議会の国制・文化史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 24520821
研究機関北海道大学

研究代表者

山本 文彦  北海道大学, 文学研究科, 教授 (30222384)

キーワード永久帝国議会 / 近世ドイツ国制史 / 皇帝 / レーゲンスブルク
研究概要

今年度は、7月に実施したウィーン帝室宮廷国立文書館において、永久帝国議会における皇帝主席代理人に関係する史料調査及び収集を行い、ここで得られた史料とすでに整理が終わっている主席代理人の史料との整合・整理作業を実施し、データベース化した。
また今年度は、永久帝国議会における儀式・儀礼の文化史的意義を考察するための作業の一つとして、17世紀後半の皇帝および帝国等族の人的関係を具体的に把握するために、当該時期の皇帝及び帝国等族の婚姻関係の調査を行い、その結果をデータベース化する作業を進めている。この作業のために必要となる基礎資料として、詳細な家系図集を購入した。婚姻関係の詳細な調査から、貴族の家門相互の関係が浮かび上がるとともに、時間の経過によるその関係の変化、貴族の家門内部および身分毎の関係や婚姻関係の地理的広がり、宗派的な問題など従来具体的に把握されていなかった部分を明らかにすることができた。例えば、同時代の政治的な問題と婚姻関係が密接に関係していること、宗派が異なる家門間にも婚姻関係があったこと、婚姻による貴族家門間の関係は比較的短期間な関係であり、継続な関係とするためには持続的な婚姻関係を取り結ぶ必要があること等である。17世紀後半の永久帝国議会の政治的問題の協議にあっても婚姻関係に基づいた皇帝及び帝国等族の間の関係を考慮して検討する必要がある。
これらの作業とともに、17世紀後半における重大な政治問題として、ライン選帝侯の問題とハノーファー選帝侯の問題に対する永久帝国議会での協議内容を整理し、同時代の永久帝国議会における儀式・儀礼との関係の有無と実態を把握するための情報の整理を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた儀礼・儀式の版画資料の収集及び整理はやや遅れているが、新たに婚姻関係の調査による知見を得ることができた。当初計画していた17世紀後半を中心とした永久帝国議会の国制・文化史的考察という点では、おおむね順調に進展していると判断することができる。

今後の研究の推進方策

次年度は、研究計画の最終年度にあたるので、まだ収集できてない史料の調査及び収集作業をできるだけ早期に行い、史料整理を行うとともに、総括し、論文としてまとめる作業を実施する。

次年度の研究費の使用計画

当初予定していた過去二年間に行う予定だった外国での資料調査等が1回だけの実施で、その上短期間の調査旅行になってしまったことによることが大きい。また、マイクロフィッシュで収められている史料のデジタル化の作業がやや滞っていることが主たる理由である。
研究課題にとって必要となる外国での資料調査等を計画的に精力的に行うとともに、関連資料のデジタル化作業を進める。

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公開日: 2015-05-28  

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