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2015 年度 実績報告書

西洋中世における特殊地形と王・隠者ネットワーク

研究課題

研究課題/領域番号 24520827
研究機関東京外国語大学

研究代表者

千葉 敏之  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20345242)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードヨーロッパ中世 / 聖人崇敬 / 隠者 / 地形
研究実績の概要

本研究計画は、紀元千年期における特殊地形と隠者の関係を解明することを課題としており、とくに①紀元千年期の隠者ネットワークの解明、②聖ミカエル崇敬の拡張過程の解明、③王の参籠についての解明、④改革派修道士=建築家の動向の解明、の4点を研究計画の柱としている。紀元千年期の隠者ネットワークの総体を解明するために重要となるのは、神聖ローマ帝国、イングランド、フランス、イタリアの修道院をつなぐ聖ミカエル崇敬ネットワークの実態を把握することである。過去3年間の研究成果から、神聖ローマ帝国とノルマンディー地方に存在した婚姻ネットワーク、島上の山岳修道院(モン・サン・ミシェル、モン・サン・ミシェル修道院と英仏海峡を挟んだ「対蹠地」にあたるコーンウォール地方のセント・マイケルズ・マウント修道院址など)という特殊地形を結ぶ聖ミカエル崇敬を通じた崇敬兄弟的関係、イングランド南部(ウィンチェスター)とフランス中部(フルリ、サン・ブノワ・シュル・ロワール)との人的交流・聖人崇敬の共有などが明らかとなっている。4年間の研究計画の最終年度にあたる平成27年度には、これまでの過去3年間の研究を経て残されている地域の調査を行なった。まずイタリアのアレッツォを拠点に、アレッツォ司教座教会、ペルージャ聖ミカエル聖堂において遺構調査を行ない、続いてピレネー山圏のペルピニャンを拠点に、サン・ミシェル・ド・キュクサ修道院等において、経路・立地調査・遺構調査・史料調査を行なった。さらに、フランスのミュールーズを拠点に、フランス中部の聖ミカエル崇敬の拠点ル・ピュイ内の大聖堂及び聖ミッシェル・アギレ教会の遺構調査・資料収集を行なった。最後にドイツ南部のミュンヘンを拠点に、バンベルクのミヒャエルスベルク修道院及びバイエルン州立図書館を訪問し、遺構調査ならびに史料調査を行なった。年度後半には、成果公表に向けた準備を進めた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 2015年の歴史学界、回顧と展望、歴史理論2016

    • 著者名/発表者名
      千葉敏之
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 125-7 ページ: 未定

  • [図書] 新しく学ぶ西洋の歴史―アジアから考える、「神聖ローマ帝国と「世界」」2016

    • 著者名/発表者名
      南塚信吾・秋田茂・高澤紀恵(責任編集)
    • 総ページ数
      450
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] ヨーロッパ史講義、第2章「寓意の思考―魚から見た中世ヨーロッパ」2015

    • 著者名/発表者名
      近藤和彦編
    • 総ページ数
      243
    • 出版者
      山川出版社

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公開日: 2017-01-06  

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