研究課題/領域番号 |
24520831
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗原 麻子 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (00289125)
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研究分担者 |
師尾 晶子 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (10296329)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リュクルゴス / アテナイ / ヘレニズム / 古典期 / 互酬性 / 公共性 / 国際研究者交流(イギリス) / 国際研究者交流(アメリカ) |
研究実績の概要 |
(1)25年3月末のワークショップ「変動のなかのリュクルゴス」を受けて、報告者の協議のもと成果を公刊したいとの要望が強かったため、そのための出版計画に着手した。具体的には、共同研究者およびワークショップ報告をおこなった研究協力者(Lene Rubinstein, Graham Oliver, Adele Scafuroの3氏および篠原道弘氏)の報告内容に加え、新規執筆者を加えて、計画が進行中である。そのために8月にはアテネで栗原が、共同編集者のAdele Scafuro氏と第1回目の打ち合わせをおこなった。また3月末には東京で、第2回目の打ち合わせをおこない、執筆予定者から寄せられた要旨および原稿をもとに、共同研究者および研究協力者を交えて具体的な出版企画書を作成した。作業は現在まで継続中である。旅費の一部はそのためにもちいられた。 (2)25年4月に、阪大法学会主催になるLene Rubinstein氏らを囲む研究会をおこなった。本科研と関連性の深い、前4世紀アテナイの法慣行についての講演であり、そのための旅費および謝金の一部はそのためにもちいられた。講演内容を『法学研究』上に翻訳して掲載した。 (3)リュクルゴス時代についてのさらなる考察のために、エフェボス制度についての検討を進めた。 (4)法廷における「復讐」をめぐって日本語で論文を公表した。 (5) 家族制度・家族観の変遷について、検討し、ファレロンのデメトリオス以降への展望を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究成果の公表方法が、当初意図した報告書あるいは和文での出版から変更され、海外での英語による出版の計画に発展したため、実現すれば当初の見込みを超える成果が期待できるため。
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今後の研究の推進方策 |
本科研としては、出版をもって一応の結末がつくところであり、年内に出版社からの回答を得たい。また、研究内容に関しては、今後資金を得て、古典期・ヘレニズム期の公共性についての共同研究に発展させたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果報告の準備に当初計画以上の期間が見込まれたため。
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次年度使用額の使用計画 |
費用の一部は、必要に応じ、会議費として用いられる。また、ヘレニズム期における共同体的「記憶」の創造について、今後リュクルゴス時代のアテナイ・ポリスについての研究を、同時期の東地中海世界のなかで理解するために必要であるという共通理解のもと、この発展的な課題のためにも次年度使用額から支出する。
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