本研究の目的は、スペイン内戦後、亡命を余儀なくされた女性たちのうち、フランスへの亡命者たちがどのような人生を送ったのかを明らかにすることであった。第二次大戦勃発後のフランスで抵抗運動を続け、ナチの女性収容所ラーフェンスブリュックに収容された女性たちについて、先行研究に依拠し、さらに様々な資料にあたりながら、収容者リストを再検討し、あらたなるリストを作成した。ラーフェンスブリュックから生還したネウス・カタラーについてその生涯を追い、同収容所にいたフランス人の人類学者ジェルメーヌ・ティヨンとの比較検討も行なった。亡命先の女性組織の活動についても考察をしたが、まだ十分な成果は得られていない。
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