研究課題/領域番号 |
24520859
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
光本 順 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30325071)
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キーワード | 考古学 / 弥生時代 / 身体表現 / ジェンダー / クィア |
研究概要 |
1.資料集成作業の実施 弥生時代の「人形製品」(立体的に造形された身体表現)全般に関する研究を、平成24年度に引き続き実施した。特に平成25年度は新たに西日本の木偶や東日本の人面付土器、土偶形容器に関する集成作業ならびに研究史の整理を行った。 2.資料観察の実施 平成25年度から実施している西日本の「人形製品」、すなわち人形土製品(奈良、岡山)や分銅形土製品(大阪、奈良、岡山)、石棒(大阪)等の実見・観察を進めた。また平成25年度に集成を行った東日本の人面付土器(茨城)等に関する実見・観察を実施した。 3.資料分析と考察の実施 これまで集成し、実見・観察してきた資料に基づき、西日本弥生時代の身体表現(分銅形土製品、人形土製品、土製仮面、石製品等)を対象に、その形態や時期的・地域的展開に関する基礎的分析および考察を行った。また、集落と墳丘墓における身体表現の比較検討ならびにジェンダー表現に関するクィア考古学的分析を進めた。 4.成果の発表 本研究の成果に基づき、西日本弥生時代の身体表現に関する研究成果について、国内における講演にて発表を行った。また平成26年5月に米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校にて開かれる国際学会(Theoretical Archaeology Group 2014 Conference)において、弥生時代の身体表現に関するクィア考古学的分析成果の一部を発表する予定であり、そのための要旨作成作業等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24・25年度までに弥生時代の身体表現である「人形製品」の研究(資料集成、資料観察、資料分析)を、おおむね予定通り進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は「絵画資料」(平面的描写)の身体表現に関する集成と観察、分析を進める。また、こうした「絵画資料」と、これまで扱ってきた「人形製品」の集成、観察、分析の成果を統合し、弥生時代の身体表現の全体像およびそのジェンダー構造に関する研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
資料観察にともなう必要となる関係諸機関との調整を、順次行いながら研究を進めているため。また、資料に関する文献やその研究事例、国内外における関連するジェンダー・クィア研究文献に関するリスト化と収集作業を順次進めているため。 平成26年度は本研究の総括として、当該年度に分析対象とする「絵画資料」に関する資料集成と観察、分析に加え、これまで扱ってきた「人形製品」に関する基礎研究の補足も含めて実施する。また、これまでの研究成果を踏まえ、海外における成果発表等を実施する。
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