平成26年度は本研究の最終年度として、弥生時代の人形製品および絵画表現にみる身体表現に関する研究をすすめた。また成果の一部に関する発表を行った。 1.弥生時代前期末以降の絵画の身体表現および身体表現とも関連性が深いと考えられる弥生時代後期後半の撥形文様に関する集成と基礎的研究を行った。 2.倉敷市楯築弥生墳丘墓出土人形土製品について、他の絵画表現・人形製品とも比較しながらクィア考古学的考察を実施した。その成果はイリノイ大学アーバナシャンペーン校で実施の米国理論考古学会にて口頭発表を実施した(題目: Between Excellence and Deviation: a Queer Archaeological Analysis of Bodily Representation in the Yayoi Period in Japan、平成26年5月24日)。 3.本研究において平成24年度より実施していた人形製品に関する研究を補足するとともに、その一部に関して研究発表を行った。特に西日本弥生時代前・中期の人形製品の研究をすすめた。具体的には香川県におけるいわゆる弥生土偶や、近年発見された長野県の人形土器の実見・写真撮影・実測を実施した。またそれらと比較する資料として、平成25年度より取り組んできた東日本の人面付土器・土偶形容器に関する実見を補足した。これらの作業を踏まえ、弥生時代「人形土器」に関する基礎的研究に関して、考古学研究会岡山例会にて口頭発表を実施した(題目: 弥生時代「人形土器」の系譜と分類に関する一試論、平成27年3月14日)。 4.3カ年の本研究全体を通じた、弥生時代のジェンダー構造に関する考察をすすめた。
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