日本の旧石器考古学者は石刃は間接打撃によって剥離されると考えていた。しかし、フランスの旧石器考古学者は様々な技術によって石刃は剥離されることを明らかにしていた。フランスの代表的旧石器研究者であるぺルグラン博士は動作連鎖概念を用いた石器製作技術をテクニークとメトードという用語で説明している。この研究方法を日本に導入するために、我々はぺルグラン博士を日本に招聘した。 ぺルグラン博士とともに研究した結果、横道遺跡の石器群は軟石ハンマーの直接打撃により細身石刃と幅広石刃を作り分けるふたつのメトードが存在することを明らかにした。石刃を剥離するためには、打面調整に特徴的な技術があることが明らかになった。
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