研究課題/領域番号 |
24520880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
坂 靖 奈良県立橿原考古学研究所, 学芸課, 総括学芸員 (30250377)
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研究分担者 |
中野 咲 奈良県立橿原考古学研究所, 調査課, 技師 (00470279)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
奈良盆地における韓式系軟質土器・陶質土器を集成し、データベースを作成した。その成果の一部とそれに関わる研究報告を学会で発表した(坂 靖「古墳時代中期の遺跡構造と渡来系集団」、中野咲「大和地域」古代学研究会2012年度拡大例会・シンポジウム)。また、関連論文として権五栄2007「住居構造と炊事文化からみた百済系移住民の畿内地域への定着とその意味」『韓国上古史学報』第56号を翻訳し、学術雑誌『古代学研究』に投稿した(『古代学研究』197号、2013年4月20日刊行)。さらに、韓国西南部・南部地域で資料調査をおこない、土器・土製品の地域性や、倭系遺物について検討した。主な資料は、ソウル風納土城出土長胴甕・土製竈枠、海南龍頭里古墳出土須恵器系土器、霊岩チャラボン古墳出土埴輪・土器、霊巌長洞古墳出土埴輪、羅州伏岩里遺跡出土土器、山清下村里遺跡出土土器、金海鳳凰台遺跡出土土器・土製品、巨済鵝州洞1485番地遺跡出土土器、金海大成洞古墳群出土遺物などである。韓国国内における甑や長胴甕の地域性や、埴輪・土製竈枠や土師器・須恵器類似資料を確認し、奈良盆地の渡来系集団の出自を究明するうえで新たな認識を得るとともに、考古資料からみた当時の日韓交渉について新たな知見を得た。加えて、関連論文を韓国で発表した。(坂 靖「日本畿内地域 百済・馬韓系住居址の検討」『甕棺古墳社会住居址』韓国国立羅州文化財研究所)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
データベースは一部を公表することができた。韓国での資料調査を西南部・南部・西部地域で実施することができた。翻訳作業をおこない学術雑誌に投稿した。平成25年度初頭に公開し、抜き刷りの印刷をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
データベースの充実をはかるとともに、国内外の資料調査をおこなう。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外(韓国東部・東南部地域)での資料調査を夏期に計画をしている。また引き続き、当該研究に関わる韓国語の論文の翻訳作業をおこなう。
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