本年度は、福岡県・長崎県、千葉県や近畿圏内の八尾市立埋蔵文化財センター・大阪府文化財センター中部事務所・四條畷市立歴史民俗資料館・神戸市立埋蔵文化財センター・大阪文化財研究所難波宮調査事務所・出戸収蔵庫・京都府立山城郷土資料館・滋賀県立安土城考古博物館・守山市立埋蔵文化財センターなどで踏査や補足の資料調査をおこなったうえで、報告書を刊行した。内容は、報告文として「古墳時代における渡来系集団の出自と役割に関する考古学的研究」(p7~93)を掲載し、奈良県内の古墳時代における渡来系集団に関わる考古資料を悉皆的に分析したうえで、その出自と役割について言及した。さらに特論1として「5~6世紀の渡来系集団と朝鮮半島西南部の前方後円墳・埴輪」(p95-114)、特論2として「羽釜と移動式カマドの受容と展開」(p115-136)を掲載し、それぞれ埴輪や羽釜・カマドなど個別の資料から、渡来系集団の果たした役割について言及した。
|