本研究では,近年日本の地理学において議論が始まっているクリテイカルGISの動きの中でも,特に日本で発生した東日本大震災を契機として活動が顕在化した,一般市民によるカウンターマッピングに着目した研究を行った. 具体的には,カウンターマッピングの状況についての国内外の事例やその理論的な位置づけについて整理するとともに,東日本大震災によって始まったカウンターマッピングについていくつかの事例地域を取り上げ,その活動の詳細やデータの収集方法,地図の作成・公開方法,さらに政治的なアクセスがどのように行われたのかを明らかにした.これらから,社会の中でのGISの受容,今後の可能性や限界について明らかにした.
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