伝統的な石干見漁法が、近年、地域貢献やツーリズムのための装置として脚光を浴びてきている。本研究では、東アジアやヨーロッパ、太平洋地域の石干見をめぐって繰り広げられる伝統的な漁業の見直しや、沿岸域の環境保全、環境教育などを比較研究するとともに、石干見をめぐる研究ネットワークの構築を進めた。その結果、東アジア、特に台湾の澎湖列島の石干見漁業に関する歴史的な把握、石干見の名称をめぐる歴史的な問題、特定地域における石干見に関するデータベース化の試み、石干見の保存・再生・活用をめぐる議論、国内外の石干見研究者・保護団体とのネットワークづくりに一定の成果を修めた。
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